ヤクザたちの「行く年来る年」 池田組と絆會と神戸山口組の掲げた四字熟語の暗示するこれから

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

カメラの前に立った司組長

 2023年末、6代目山口組やその最中核組織である3代目弘道会が開いた「事始め」についてはすでにお伝えしたが、同時期の12月10日、池田孝志組長(78)率いる池田組の納会も開かれた。さらに、池田組と運命共同体とされる織田絆誠代表(57)率いる絆會もまた同12月末に納会を開いたという。そんな中、神戸山口組の動きはどうだったか? ヤクザたちの「行く年来る年」の光景は――。

 まずは6代目山口組の事始めについて振り返っておこう。

 昨年12月13日、司忍組長(81)ら幹部が出席し、2次団体である2代目國領屋一家(本部:静岡県浜松市)で山口組は恒例の事始めを開いた。

「山口組における事始めとは、正月に先立って新年のあいさつをする、といった意味合いですね。捜査員40~50名が事務所に張り付いて、司組長以下、出入りする幹部やクルマを確認していたようです。それに呼応してメディアも取材にやってきていました。来年1月に82歳になる司組長がカメラの前で意気軒昂ぶりをアピールした形と言えるでしょう」

 と、担当記者。

8年連続で「和親合一」

 その場では来年度の方針が固まり、8年連続で「和親合一(わしんごういつ)」となったという。「組員の心を1つにして事に当たっていく」というメッセージだろう。8年連続というのはつまり、山口組が分裂して以降、ということになる。

「和親合一は山口組の綱領にある言葉です。“内を固むるに和親合一を最も尊ぶ”というくだりにあります。分裂後に残っている者で心を1つにし、騒動が落ち着くまではこの四字熟語が行動指針となり続けることでしょう」

 と、竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)。

 他方、6代目山口組のターゲットとなり、実際に傘下組織から池田組長が散髪中に襲撃された池田組も納会を開き、「有志意成」という指針が採用されている。「志がある者が強い意志を持っているなら、最終的には事を成し遂げられる」といった意味なのだという。

次ページ:池田組の理想像

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。