泣く子も笑う「タケモトピアノ」CMでも人気の「財津一郎さん」、“老々介護”で愛妻に尽くした晩年【2023年墓碑銘】

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心と体を燃焼させて

 演劇評論家の大笹吉雄さんも言う。

「井上ひさし作品の『藪原検校』では間の取り方が実にうまかった。いずみたく作曲のミュージカル『洪水の前』では満洲事変の時代の雰囲気を全身から発散。舞台でも印象的でした」

 公演前に会場を下見し、声の通り具合などを確かめるほど真面目だった。95年、脳内出血で倒れて開頭手術をしたのに大河ドラマ「秀吉」に約束通り出演した。

 2011年、ドラマ「3年B組金八先生ファイナル」の出演を最後に芸能活動を休止する。「タケモトピアノ」のCM契約料が生活を支えてくれたと感謝していた。

 赤貧時代の60年、舞台女優で4歳年上のミドリさんと結婚。一人息子の功さんは日本テレビで番組プロデューサーとして大成した。

 愛妻のミドリさんは19年に自宅で転び骨折。財津さんが家事の一切を担い、入浴など介護に尽くすも、翌20年に先立たれている。

 今年3月、本誌(「週刊新潮」)の取材に、「毎日、早寝早起きで4時半起床。朝の30分の体操やヨガのほか、200回の足踏み器も日課です。家の掃除や洗濯も自分でやってます」などと近況を語った。

 月に1度のゴルフを7月まで楽しんだ。9月に体調を崩すが家での療養を望む。

 10月14日、慢性心不全のため、89歳で逝去。

 孫で俳優となった、財津優太郎さんの成長を喜んだ。「心と体を燃焼させて演じてほしい」とは自身の歩みを重ねた励ましだろう。

デイリー新潮編集部

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