無派閥男・石破茂が語るパーティー券裏金問題 総裁を目指す可能性は?

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 音を立てて崩れていく自民党政権。記録的な支持率低下に息も絶え絶えの党にあって、ぱっと存在感を示す男がいる。“首相になってほしい人”として常に世論調査でトップに輝く石破茂元幹事長(66)である。彼の目に、波乱はどう映っているのか。

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「リクルート事件で政治不信が吹き荒れた1988年、私たち当時の1回生議員10人が中心となって〈ユートピア政治研究会〉を結成しました」

 石破氏はそう往時を回顧して、ため息をつく。

「研究会では、中選挙区制から小選挙区制への変更、資産やパーティー収支の公開を柱とする改革の提言を取りまとめた。あれから35年、あの政治改革は何だったのだろうと、一種の無力感に苛まれています」

「ポケットマネーになってしまったら、買った人の立場は…」

 騒動が取り沙汰されてから、岸田首相が表明したのは、忘年会、新年会を含むパーティーの自粛だった。

「“何それ!?”と思いますね。あたかもパーティーそのものが悪いかのような対応で、それは違う。多数の方々から浄財を募って政治活動をするというのもひとつのやり方です。おカネはかかるんですよ。本社が地元にあって、支店が東京と地方にいくつかあって、従業員が十数人いる。そんな小企業をイメージしてください。年に1億円はかかるでしょう。ダメなのはあくまで収支が明確ではないという点です」

 とした上で、支援者の気持ちを慮(おもんぱか)る。

「清和会なら清和会の、派閥の活動に使ってもらいたいと思って出したら、ポケットマネーになっていました、では、パーティー券を買った人の立場はどうなるのでしょう」

 この一件で、パーティーのみならず“派閥”なるものへの不信感を募らせた向きも少なくない。現在は無派閥で活動する氏にとって、派閥のあるべき姿とは何か。

「自民党の部会は、“今度の国会に提出する法案をどうしよう”“来年度予算をどうしよう”など、どうしても短いスパンでの話しかできない。そこで派閥では勉強をするんですよ。“50年後、100年後の日本を考えよう”“なぜ日本は戦争を防げなかったのか明治維新まで遡って考えよう”とかね」

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