なぜ「松山英樹」はパリ五輪に後ろ向きなのか 2度目の辞退という可能性も

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 21年マスターズ王者の松山英樹(31)が、12月18日付けのスポーツ報知や時事通信などのインタビューに応じたことが話題になっている。スポーツ報知には、来年に控えるパリ五輪(男子ゴルフ 8月1~4日)に関して「今はまだ何も考えていない。メジャーの方が大事です、本当に。僕にとってはメジャーの方が大事だし、シーズンの方が大事」と、五輪よりもマスターズなどの4大メジャーを優先する考えを明かした。日本の絶対的エースが五輪に重きを置かない事情とは――。

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五輪独特の縛りがある

 松山は初出場した21年東京五輪で優勝争いを繰り広げ、銅メダルをかけて臨んだ7人のプレーオフで敗れ4位と、メダルにはあと一歩届かなかった。とはいえ、大会自体は盛り上がり、周囲は「今度こそパリでゴルフ日本人初の金メダリストに」と大きな期待を寄せる。しかし、本人からは威勢のいい言葉は出てこない。

 松山が主戦場としている米ツアーに詳しい関係者はこう語る。

「そもそも米ツアーのトップ選手は、多くが『五輪よりメジャー』というスタンスを取っています。メジャーに勝てば莫大な賞金や長期シードが手に入りますが、五輪は名誉とわずかな褒賞金だけですから」

 東京五輪でも当時世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(米国)のほかアダム・スコット(オーストラリア)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)ら多くのトッププロが米ツアーを優先して出場を辞退した。松山にとっても2度目の王座を狙うマスターズや、13年の6位が最高と苦手にしている全英オープンが来季のメインターゲットになっているという。

 さらに、五輪独特の縛りも腰を重くする要因になっている。五輪にゴルフが復活した16年リオデジャネイロ、21年東京大会とも、日本代表選手は相部屋の選手村に入らず、日本ゴルフ協会(JGA)がコース周辺に立地するホテルの個室を確保した。

 JGA関係者は、

「パリでも同様になる見込みですが、ホテルからコースの移動や練習ラウンドで、普段のツアーにはない様々な制限があります。選手のコーチやマネジャーなどの関係者に関しては、ホテルの部屋を全員分は用意できないので、別のホテルに泊まってコースで合流していただく形になるでしょう」

 と明かす。

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