城咲仁氏が語る「悪質ホスト問題」 発端は石原都政の歌舞伎町浄化作戦 テレビでは議論されない本当の問題点

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真の問題とは

城咲:コロナ禍で深夜営業していたモグリの店が生き残ってしまったんです。ちゃんとお店を閉めたりしていたところが衰退し、ホストがモグリの店に流れたんです。ホストは仕事を続けていかないとお客さんが逃げちゃいますから。コロナでルールを守った真面目な店が弱くなった一面はあると思います。

――ホストの接客スキルが下がったのだろうか。

城咲:最近の若いホストに聞くと、そもそも接客を望まれていないというか、お酒を飲みに来ていない子もいるわけです。そういう子は単にお金を持ってきて、自分の推しに何百万円使ったということに優越感を覚えているのでしょう。シャンパンタワーが300万円と言われたら、それが注文できたことに満足し、その写真をSNSに上げるんです。

――今は高額な売掛が問題となっています。

城咲:売掛、つまりツケですね。確かにこれが問題という声を聞きますが、売掛は昔からありました。ただ、昔のお客さんは売掛で遊ぶことを格好悪いと考えていたんです。その場で払えることが、女性たちのプライドでもあったんです。でも今は、売掛があることでホストと繋がっていられると考えるお客さんが出てきてしまった。テレビのコメンテーターの中には「愛に飢えている子がホストにダマされて……」と言う人もいらっしゃいますが、モグリの店が未成年を入れていることが問題なんです。ですから、売掛が問題ではありません。

――売掛が問題ではない?

給料を求めないホスト

城咲:一部の店は、会計の総額だけが書いてある伝票(青伝票)にサインさせて、売掛の証拠であるかのように使うわけです。本来、青伝というのは、正規の高いお酒を入れた時に足りない金額について発行するもので、明細はもちろん、住所、氏名、年齢、勤め先、身分証のコピー、これは私が飲食しましたと全部書くものです。ところが今、問題となっているお店の青伝には、明細すら書いてない。ですから、売掛だけどうこう言っても、どうしようもないんですよ。青伝票では本来、売掛はできないはずなのですが、さも取れるかのように脅していることも問題です。それでも推し活で通う子は、ホストに惚れ込んで、優しくされたり、そのホストにNo.1の扱いをされたいから支払い続けてしまうんです。でもね、ホストクラブは彼氏を作るところではないんです。お金に余裕があって優越感に浸りたい人は来ればいい。1億円持ってる人が100万円使っても、どうってことはないですからね。お金を持っていない子に何百万円も使わせることが問題なんです。

――ホストにも問題があるという。

城咲:テレビがホストクラブの問題を報じる時、ホストの質については議論しません。例えば、ひと月にお客さんがご飲食なさったお金、これが僕らの時代の成績でした。仮にお客さんが1000万円使ったとします。その場合、ホストが7割をもらえる契約だったとしましょう。1000万円のうちホストには700万円が給与として支払われる。ところが今、1000万円の売上があったら300万円をお店に払わせて、自分の給与となる700万円はいらないと言うホストも出てきているのです。

――信じがたい話である。一体、何のために?

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