「人としてどうなのか」立浪和義監督(54)の“忠臣切り”に波紋 ビシエド、高橋周の放出にとどまらない非情の“勝負手”の現実味

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説明はなく「2軍に行ってくれ」と通告

 プロ野球中日の立浪和義監督(54)が断行した来季のコーチ陣の“組閣”で、チーム周辺で大きな波紋を呼んだものがあった。立浪監督の就任から2年間、ヘッド兼投手コーチを務めた落合英二氏(54)の2軍投手兼育成コーチへの降格である。

 中日で現役時代を共にし、指導者になればコンビを組んで古巣に力を尽くすと誓い合った同学年の2人。固い絆で結ばれていたはずだが、立浪監督の3年契約最終年という勝負のシーズンでは、1軍でともに戦うことはなくなった。2人の間に一体何が起き、立浪監督はどこへ向かおうとしているのか――。

 中日は10月31日、来季のコーチ陣を発表した。落合コーチの配置転換が明らかになると、さる中日OBはこう疑問を呈した。

「これはないですよ。あれだけ立浪監督の就任を待っていたのに……。ヘッドの職は解除したとしても1軍の投手コーチとしては残すべきだったんではないでしょうか。彼らの関係を考えると、監督のこのやり方は、言い方は厳しくなってしまいますが、人としてどうなのかとさえ思ってしまいましたね」

 落合コーチは、立浪監督が就任した2021年のオフまで過去、再三、中日からの入閣要請を受け、その全てを断ってきたという。「中日・立浪監督誕生時」にはコーチとしてサポートするという立浪監督との現役時代から約束を守っていたからだった。現役引退から10年以上も立浪監督に義理立てする形で中日に戻ってくることはなく、ロッテや韓国プロ野球で指導者としての腕を磨き、晴れてその時を迎えた。

 確かに、チームは立浪監督が指揮を執ったこの2年、いずれも最下位と低迷を極めた。大きく変わる必要性に迫られていたことは事実だ。しかし、リーグ屈指とされた投手陣は打線の援護が乏しい中で奮闘を続けた。投手部門の最高責任者である落合コーチが責任を取るような成績ではなかった。

 降格時、立浪監督から理由の説明はなかったようだ。「2軍に行ってくれ」と通告されただけだったという。

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