オリックスが狙っていた韓国MVP投手がホワイトソックスへ…48億円「由伸マネー」はどこで使う?

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大谷争奪戦の裏で……

 水面下で繰り広げられていた日米韓の大争奪戦はホワイトソックスが制し、オリックスは「由伸マネー」を温存した――。

 メジャーリーグの球団幹部や代理人が一堂に集うウインターミーティングが12月4日、米テネシー州ナッシュビルで開幕した。去就が注目されているのは、エンゼルスからフリーエージェントになった大谷翔平(29)だが、3日目の12月6日、「韓国プロ野球KBOのエリック・フェッド(30=NCダイノス)がホワイトソックスと2年1500万ドル(約22億5000万円)で契約合意した」との一報が飛び込んできた。メディカルチェックを経て、正式契約を結ぶという。

 この情報に驚いたのは、NPB関係者である。というのも、オリックスなど複数の日本球団がフェッドの獲得に向けて水面下で調査を行っており、NPB入りするのではないかと見られていたからだ。

「ホワイトソックスはア・リーグ中地区4位と振るいませんでした。敗因は色々ありますが、近年、ほぼ同じメンバーで戦っています。先発陣はシース(27)、リン(36)、ジオリート(29)、コペック(27)など好投手も揃っているんですが、新戦力の加入、若手の台頭がなかったせいか、みんな平凡な成績に終わっています。刺激剤としても期待されていた5人目の新・先発候補のクレビンジャー(33)がDV事件を起こし、投手難となってしまいました」(米国人ライター)

 今オフの米FA史上に目玉投手といえば、大谷とオリックスからポスティングシステムで移籍を目指す山本由伸(25)の2人。大谷は「10年総額6億ドル(約900億円)もあり得る」とされ、山本も「総額2億ドル(約294億円)以上の争奪戦になる」と報じられていた。

 しかし、超・大型契約となる大谷、山本とは対照的に“お手頃価格”での獲得も可能な先発投手がKBOにいた。それが、フェッドだ。

「フェッドは23年シーズンにKBOに来ましたが、韓国プロ野球史上、最強の助っ人投手とも称されています。NCダイノスはシーズン4位でしたが、プレーオフで善戦し、韓国シリーズ進出に王手を掛けるところまで勝ち上がりました。勝因はフェッドの好投です。そこで今オフは、日米韓での大争奪戦が繰り広げられると予想されていました」(現地メディア関係者)

 今季の成績は20勝6敗、防御率2.00、奪三振数209。KBO史上で「シーズン20勝、200奪三振」をマークした5人目の投手であり、外国人投手では初めてとなる。シーズンMVP、韓国のサイ・ヤング賞に相当する「チェ・ドンウォン賞」も受賞した。

 フェッドの経歴だが、昨年オフにナショナルズから解雇されている。14年の米ドラフト会議でナショナルズに1巡目で指名されたものの、その直前にトミー・ジョン手術を受けた影響で、メジャー初勝利は18年と遅かった。6シーズン88試合に先発し、21勝、通算防御率5.41と振るわなかったので、NCダイノスで「覚醒した」と言っていい。

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