サントリー新浪社長が「345億円不正流用事件」に関わっていた? 逮捕された首謀者に“出所祝いを出した”との証言も

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144億円が回収不能に

 A元専務が資金の流用に手を染め出したのは07年。その手口はこうだ。

「ローソンエンタのようなチケット販売会社は、チケットの代金だけではなく、“協賛金”という名目の金を興行主に支払わなければならない慣行があります。A元専務はローソンエンタと興行主の間に『プレジール』という会社を介在させ、同社を通してチケット代金を払うことで、協賛金の一部をプレジールが負担する、という方式を会社に提案し、採用されています」(全国紙社会部デスク)

 チケット販売から興行後に決済するまでには2~6カ月の期間がある。つまり、その期間、莫大なチケット販売代金がプレジール社に「滞留」するわけだ。

「A元専務とプレジール社の元社長らはその資金を豚肉輸入事業などに投資し、利益から協賛金を捻出した上で残りを山分けすることを計画。A元専務自身も約9千万円の分け前を受け取っています。しかし投資は失敗し、興行主への支払いが滞るように。結局、07年から10年の間に約345億円がプレジール社に送金され、そのうち約144億円が回収不能になりました」(同)

 10年3月、ローソンエンタは東京地検特捜部に告訴状を提出。5月にはA元専務らに約144億円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。ちなみにA元専務は特捜部に逮捕されたのと同時期に破産の手続きを開始。後に「免責」、つまり債務弁済責任から免れることを認められている。

「新浪さんが何も知らなかった、というのはあり得ない」

 同年2月、不正流用の事実を公表した新浪氏は、

「目が行き届かず、大変反省している。信頼回復に向け全力を尽くしたい」

 と、謝罪した。あたかも被害が巨額になってから事実を把握したかのような言いぶりだったのだが、

「被害額が膨れ上がるまで新浪さんが何も知らなかった、というのはあり得ないのではないでしょうか」

 と、ローソン元役員。

「例えば最初にプレジール社から興行主への支払いが滞った時、ローソンエンタが約20億円を直接興行主に支払っています。そんな巨額の支払いを、親会社の最高権力者である新浪さんの了解なしに処理することは考えられません」

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