大谷翔平、大手代理人でも予測不能なFA契約「初めてカネを決め手にするかも…」 ド軍ともエ軍とも断言できない“OHTANIのアメリカ化”という「不確定要素」

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FA市場で「ここまで脚光を浴びた日本選手はいない」

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(29)が2日に日米のプロ生活を通じて自身初のフリーエージェント(FA)になった。米東部時間6日午後5時(日本時間7日午前7時)までのエンゼルスとの独占交渉期間に残留で合意しなければ、全球団との交渉が解禁となる。いよいよMLB史上最高額が予想される空前の大型契約へ、複数球団が絡んだ駆け引きがスタートする。米メディアが「何が基準となるのかは分からない」と大谷の真意を測りかねる中、米球界関係者の一部には「大谷は契約で初めておカネを決め手にするかもしれない」との観測が浮上している。

 今年のストーブリーグで最大の目玉である二刀流が、ついにFA市場に出てきた。大谷は2018年のメジャー挑戦時、日本ハムからのポスティングシステムでの移籍で、当初はマイナー契約だった。同年の開幕直前にメジャー契約に切り替わったものの年俸は最低保障程度の54万5000ドル(約6000万円)だった。

 2、3年目も65万5000ドル(約7200万円)、70万ドル(約7700万円)に抑制された。初めて年俸調停の権利を得た20年オフも、同年に右肘手術からの復活を示せなかったことなどで、2年総額850万ドル(約10億5000万円)と凡庸な契約となった。

 直後の21年からの3年間のMLB史に残る活躍は周知の通りだ。今季は3000万ドル(約43億円)の年俸を勝ち取り、満を持してFAとなった。MLB公式サイトのFA選手の格付けでは1位にランクイン。

「日本人初のホームラン王になり、(日本時間11月17日発表の)2度目のMVP選出は確実。肘の手術で来季は投手で投げられないとはいえ、日本選手がFA市場でこれだけ脚光を浴びたことは過去に例がないだろう」(米大手マネジメント会社の代理人)

カネに無頓着な大谷

 MLBでの過去最高額は大谷の今季までの同僚、マイク・トラウト(エンゼルス)の12年総額4億2600万ドル(約472億円)だ。ムーキー・ベッツ(ドジャース)が12年総額3億6500万ドル(約390億円)の2位で続く。大谷の交渉は、両選手をはるかに凌ぐ5億ドル(約750億円)が出発点ともされ、右肘手術前は7億ドル(約1050億円)の予想すら報じられていた。いずれにしても大谷の故郷・奥州市の23年度予算である約615億円を優に超える巨額契約で決着しそうだ。

 大谷は過去の契約時、金銭面を最優先にはしてこなかった。そもそもMLBのドラフト外の海外選手で年俸に制限がかからなくなる25歳より前に渡米している。25歳になるのを待てば200億円規模の契約を手にしていたはずだった。

 エンゼルス入りも金銭面への無頓着ぶりが際立っていた。2年契約した21年からの2年間は、21年が「9勝、46本塁打」、22年は「15勝、34本塁打」という偉業だったが、年総額は850万ドルと破格の安さで、「代理人(ネズ・バレロ氏)の失態だった」と言われるほどだった。こうした経緯を辿って晴れて手にしたFA権だけに、大谷の野球人生において最初で最後の大きな契約が見込まれるであろう今度こそはと周囲が過熱しているのだが……。

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