フランスで毒殺未遂の報道…プーチンは絶対許さない反戦「女性ジャーナリスト」、明らかにされた決死のロシア脱出劇

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 ロシア政府系テレビの生放送中に反戦を訴えた元番組編集者のマリーナ・オフシャンニコワさん(45)が、10月12日、滞在先のパリで体調を崩し、毒殺未遂の疑いがあるというニュースが報じられた。8月にはロシアの民間軍事会社「ワグネル」の代表、エフゲニー・プリゴジン氏の乗った飛行機が墜落し、死亡したばかり。またもやロシア工作員の仕業かと思った方も少なくないはずだ。幸いなことに、彼女の命に別状はなく、毒殺の疑いも否定している。ところで、オフシャンニコワさんには、10月4日、ロシアの地方裁判所が懲役8年6カ月の有罪判決を下している。彼女はいつ、どのようにして、あの国から脱出したのか。

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 オフシャンニコワさんが「戦争反対!」と叫びながら生放送中のスタジオに侵入し、キャスターの後ろで「NO WAR プロパガンダを信じるな」などと書いた紙を掲げたのは昨年3月14日夜のことだった。パリ在住のジャーナリストは言う。

「ロシア第1放送は即座に放送を中止し、警察当局は彼女を拘束しました。この10日前にロシアでは、自国の軍事行動に対する“虚偽”情報を広めた場合、最大で15年の禁固刑を科す法改正が成立していたのです。ただし、彼女も用意周到でした。メッセンジャーアプリ『Telegram』に、自身の考えをまとめたメッセージを残していたのです」

《ウクライナで起きていることは犯罪。ここでの侵略者はロシア。そして、この侵略に対する責任は、ウラジーミル・プーチンという一人の男の良心にかかっています》

《私はこの数年間、クレムリンのプロパガンダ活動に手を貸しながら、チャンネル1で働いたことを深く恥じています。テレビ画面から嘘が漏れることを許してしまったことを恥じています》

《私たちロシア人は思慮深く知的な人々です。このすべての狂気を止めるのは私たちだけの力です。抗議に行ってください。何も恐れないでください。彼らは私たち全員を閉じ込めることはできません》

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