“一生一口も飲まない”元TOKIO・山口達也氏の「断酒の誓い」を、“大酒飲み”ネットニュース編集者が心配する理由

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どうか無理なさらずに

 私自身、泥酔してラジオ番組に出て暴言を吐いてスタジオから追放されるなどの不祥事は起こしているが、自分には酒を完全に断つことができないことは分かっていた。だから量を減らした。幸い、それ以後大失敗はないが、適度の飲酒でストレスのない人生を送っているし、罪悪感も一切ない。

 山口氏は全国の意志薄弱の呑兵衛を相手に講演をする人物だ。となると講師が、「アルコールを一生一口も飲まない」とまで言ってしまうと呑兵衛たちは「こりゃワシには無理じゃ……」となり、アルコール依存症からの脱却を苦行と捉えてしまうのでは。

 私は3年前に行った人間ドックで血液検査の各種数値はほぼA判定。そうでなかったのはALS、AST、γ-GTPといった肝臓にまつわる3つの数値だ。完全に大酒飲み特有の数値だったのだ。この結果を見て医師とこんな会話になった。

「随分酒飲んでるね」
「はい……」
「どのくらい飲んでるの?」
「毎日ビール2リットル以上、多いと4~5リットルは行きます」
「そりゃ多いね」
「断酒しなくちゃいけませんか?」
「うーん、でもどうせあなたやめられないでしょ?」
「そうですね。無理だと思います」
「だったらね、飲みなよ。好きなことやった方がいい。ただ、量は減らした方がいいよ」

 以来、私はこの医師のユル過ぎる提言を金科玉条のごとく守り、とりあえずプレッシャーもなく楽しい人生を送っている。山口氏の活動は始まったばかり。それなのに宣言がストイック過ぎる。どうか無理はなさらないでください、と思う。例えば歓送迎会と大きなプロジェクトの打ち上げ、冠婚葬祭の時は飲んでいい、といった抜け道を作ってもいいのではなかろうか。余計なお世話だが。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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