動物保護ハウスを経営する坂上忍が「ペットショップの犬・猫大量生産」に思うこと 「世界から見ても恥なのに変わらない現実」とどう立ち向かうべきか

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 昨年4月に情報トーク番組「バイキングMORE」が終了して以降、坂上忍(56)が人生をかけて取り組んでいるのが犬・猫の保護活動だ。動物保護ハウス「さかがみ家」のオープンから1年半。坂上が悪戦苦闘する間も、保護犬・猫を生み出す“元凶”である大量生産ありきのペットショップの営業実態は変わらない。そんな現実をどう受け止めているのか、話を聞いてきた。

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保護活動をビジネスにしたい

「この子は1週間前に来たばかりなんですが、最初は怯え切って、この世の終わりみたいな顔をしていた。ようやく、一昨日くらいから安心した表情を見せるようになりました。目を見れば変化がわかります」

 坂上が抱いてあやす雑種犬の「ブンコ」は北海道出身。約70頭の犬が糞尿まみれの中で暮らす多頭飼育崩壊が起きていた家から地元の愛護団体が保護して、さかがみ家で引き取ることになった。

 坂上は昼のワイドショーを卒業した22年4月から、こうした人間の無責任が原因で不遇の暮らしを強いられている犬・猫を引き取り、里親に引き渡す事業をスタートさせた。その拠点となっているのが、千葉県袖ヶ浦市にある保護ハウス「さかがみ家」だ。130㎡の母屋と2000㎡のドッグランが備わった敷地面積約4500坪の広大な施設を、私財を投じて造り上げた。

 坂上が事業を始めるにあたってこだわったのが、寄付やボランティアに頼らず、ビジネスとして保護活動を成立させること。「保護活動を社会の中で安定した継続性のある事業として確立させたい」という思いがあるからだ。

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