麻生氏の「がん」発言は創価学会への決別宣言となるのか 自民のアメとムチに翻弄される人たち

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公明トップ3と創価学会を大批判

 9月24日、自民党の麻生太郎副総裁が福岡市内で講演した中で、公明党幹部を「がん呼ばわり」した件が波紋を呼んでいる。その発言の背景にあるものとは?

「2022年末に閣議決定された安全保障関連3文書について、敵基地への攻撃能力の保有などが明記されましたが、この点について麻生氏は公明党をやり玉にあげました。“公明党は専守防衛に反するとして賛成しなかった。現実をよく見てみろ。北朝鮮からロケットやミサイルが飛んでくる今と昔とでは事情が違う”といったニュアンスのことを述べました」

 と、政治部デスク。

「さらに麻生氏は、専守防衛を盾に反撃能力の保有に賛成しなかった面々として、山口那津男代表、石井啓一幹事長、北川一雄副代表、そして支持母体・創価学会の名前を挙げ、“がんだった”と振り返っていました。なかなか刺激的な言葉遣いだと思ったのか、後日、“がんという言い方が不適切なら、名前を挙げた3人と創価学会が反対し、問題だったという意図だ”と話していましたね」

自公亀裂の影の主役

「麻生氏は本当のことを言ったまでだ、とのことで、現時点で発言を撤回するつもりはないようです。講演では“時代に合わせてきちんとしたことをしないと、ウクライナみたいに日本が戦場になるだけだ”とも述べており、言葉遣いの良し悪しを別にすれば、終始一貫して、21世紀における安全保障のリアルを説きたかったのでしょう」(同)

 これについて名指しされた1人、山口代表は「評価は控えたい」と話している。

 自民党と公明党は昨年来、次期衆院選をめぐる候補者調整・選挙協力でギクシャクした関係が続いてきた。しかし、この9月4日に岸田文雄首相と山口代表との間で、「東京での選挙協力の再構築」について明記した合意文書に署名したばかりだった。

「一時は1999年から続く自公連立政権に亀裂とか決裂とか、さまざまなことが語られました。自民党側で主として交渉のとりまとめ役だったのは茂木敏充幹事長で、公明党や創価学会の神経を逆なでするような提案を繰り返していると指摘されていました。その茂木氏の背後にいたのが麻生氏です」(同)

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