処理水放出で“地球のご冥福を祈ります”…「49歳有名歌手」の振る舞いに韓国人がショックを受けたのはなぜか

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 バンド「紫雨林(ジャウリム)」のボーカリストとして1997年にデビューしたキム・ユナ(49)は、韓国の多くの人が好感を抱くアーティストだった。若々しくて可愛くて、そのうえ歌唱力もあり、数多くの名曲を生み出す才能もある……韓国音楽界における「成功した歌手」といえば、まず名前の挙がるひとりだ。

 そんな彼女が最近、新聞の社会面にしばしば登場している。福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐっての発言が物議を醸しているからだ。

 8月24日に処理水の放出がはじまると、韓国内では左翼系政治家と市民団体の主導で反発が起きた。左翼野党の「共に民主党」は反対声明を発表し、デモと闘争を続けてくと宣言。その動きのなかで発言し、注目を浴びた芸能人がキム・ユナだった。

地球に「ご冥福を祈ります」

 彼女は自らのSNSに「RIP地区」と書かれた写真を掲載し、「数日前から私は怒りに包まれていた」とポスティングした。RIPとはRest In Peace、すなわち地球に対して「ご冥福を祈ります」と意味である。「放射能の雨がやまず、光も射さない映画『ブレードランナー』の中のロサンゼルスの風景。今日のような日は地獄について考える」とコメントし、福島処理水の放出が放射能の雨と地獄を作り出すと表現した。

 それだけではない。続けて「水の循環」に対する教育用の絵を掲載し、「海洋汚染の問題は、魚やのりを食べられるかどうかに限らない」「最悪の海洋汚染事態は、おかずの選択範囲の問題に凝縮されていく」と話した。

 キム・ユナのこの発言には、1日に2,000件以上のコメントが寄せられ、マスコミも報じ続けた。しかしコメントのほとんどは、「ショックだ」という内容だった。国民的歌手といっても過言でない彼女は、これまで自分の政治的立場を明らかにしてこなかった。だからこそこうした発言は衝撃だったのだ。

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