小渕優子選対委員長の陰に森喜朗元首相、お嬢さまの加藤鮎子こども政策相は実績ゼロ…内閣改造・党役員人事の目玉、女性議員6人のうち世襲は4人

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青木・森の「優子抜擢」要請

 そして小渕氏だが、2014年10月に週刊新潮が政治資金規正法違反を報じ、経産相を辞任した。家宅捜索の前に証拠が保存されていたパソコンのハードディスクを電動ドリルで破壊していたことも注目を集め、現在も「ドリル優子」と呼ばれている。

「この問題については自民党議員の中からも、『小渕さんはいまだに充分な説明責任を果たしていない』という意見があります。本来なら表舞台に出られる政治家ではないはずですが、小渕内閣で官房長官を務めた青木幹雄さん(1934~2023)は日頃から『優子を総理にするのが私の使命』と公言していました。青木さんと言えば“参院のドン”と呼ばれた実力者です。政界を引退しても、優子さんが要職に復帰できるよう様々な働きかけをしていました。その意向を岸田さんも無視できなかったわけです」(同・政治記者)

 岸田首相は2022年8月、青木氏と森喜朗元首相(86)とホテルオークラ東京(東京・港区)の日本料理店で会食。この時、小渕優子氏も同席した。

「そもそも森さんは青木さんに強い恩義を感じていました。2000年4月、首相だった小渕恵三さんが脳梗塞で緊急入院し、約1カ月半後に亡くなりました。その際、青木さんが中心となって、森さんを次期首相に決めたからです。青木さんは今年6月に老衰で死去し、『優子を頼む』が“遺言”となりました。8月23日に岸田さんは森さんと会食し、『内閣改造について助言を受けた』と報じられましたが、森さんはこの席でも優子さんを起用するよう頼んだようです」(同・政治記者)

未知数の能力

 とはいえ、小渕氏を大臣に就任させてしまうと、国会で野党から政治資金の問題について質問が集中してしまう。対処を誤ると内閣支持率に悪影響が出るのは必至だ。

 そこで党四役の選対委員長で処遇することにした。党四役なら国会で答弁する必要はない。13日の会見で政治資金の問題について質問された優子氏は、「忘れることのない傷」と涙を浮かべ声を震わせた。SNSには「傷を負ったのはパソコンで、あなたは無傷」といった批判的な投稿が多数を占めたが、大臣だったらこれでは済まなかっただろう。

「岸田さんが女性抜擢を目玉にしようとしても、そもそも自民党は女性の議員が少ないのです。今年の6月にロイターが党の資料を引用して『衆参両院で自民党の女性議員の割合は11・8%』と報じました。しかも、優秀な女性議員は少ない。今回、必死になってかき集めましたが、世襲議員が4人になってしまったわけです。女性閣僚のうち安定した答弁が期待できるのは留任の高市さんと再入閣の上川さんだけで、初入閣の土屋さん、自見さん、加藤さんの3人は文字通りの未知数。これが自民党の現実です」(同・政治記者)

デイリー新潮編集部

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