巨人に“嵐のオフ”の予感…大ベテランが残留で、「丸佳浩」がFA移籍、「小林誠司」が自由契約になる可能性も

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「ベテラン3人をベンチには置けない」

 首位・阪神からは大きく引き離され、Aクラス入りが厳しい状況になっている巨人。このまま2年連続でのBクラスとなれば、2005年~2006年以来2度目の屈辱であり、原辰徳監督にとって初めてのことだ(※2005年は堀内恒夫監督)。そうなると、チームの“人員整理”に向けた動きが気になってくる。【西尾典文/野球ライター】

 特に注目が集まるのが、中島宏之や松田宣浩、長野久義という大ベテランの去就だ。昨年オフに松田、長野を獲得した時には、「右の代打」の役割が中島と重なったことで、阿部慎之助ヘッドコーチが「ベテラン3人を(一軍)ベンチには置けない」と発言して、波紋を呼んだ。

 その言葉通り、中島は8試合、打率.278(安打数5)、本塁打0、打点0、松田は11試合、打率.071(安打数1)、本塁打0、打点0という、あまりに寂しい成績となっている(9月3日試合終了時点)。

 長野は、開幕直後こそ不振だったものの、夏場以降は調子を上げてスタメンで出場する機会が増えている。9月3日試合終了時点の成績は、59試合に出場して、打率.267(安打数31)、本塁打6、打点19。

原監督にとっては恩人のひとり

 成績や年齢を考えると、中島と松田は今季限りで退団、長野は来季も残留と見るのが妥当かもしれない。しかしながら、中島と松田は、巨人で生き残る余地はあるという声も少なくないという。巨人の球団関係者の話。

「中島は、2009年のWBCで指揮を執った原監督の下で活躍したという点がやはり大きいですね。原監督にとっては(WBC優勝を成し遂げてくれた)恩人のひとりであり、今でも信頼は厚いです。今季の中島は、キャンプ中の紅白戦で堀岡隼人から死球を受けて、怪我(右母指末節骨骨折)で出遅れていますし、同情の余地はあるのではないでしょうか。松田は、原監督の強い希望で、昨年オフに獲得したという経緯があります。ここまで結果は出ていませんが、シーズン終盤に一軍に呼ばれました(8月29日に一軍昇格、9月2日抹消)。原監督は、松田をまだ戦力として見ていると考えられます。長野を含めたベテランの3選手は、本当に人柄が良く、チーム関係者や後輩選手から悪く言う声が聞こえてきません。あれだけ実績のある選手が、二軍でも一生懸命にプレーしていることは、チームにいい影響を与えています。年俸(中島=5000万円、松田、長野=2000万円、いずれも推定)は高くはないですし、原監督が契約通り来季も続投するのであれば、本人たちが自らユニフォームを脱ぐと言わない限り、揃って現役続行になるのではないでしょうか」

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