「どうする家康」の史実乖離がヒドすぎる ワースト5を専門家が解説「家康夫婦は不仲だったのに…」「研究で否定されている見解ばかり」

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 NHK大河ドラマ「どうする家康」は、本能寺の変で織田信長が討たれ、一つのヤマ場を越えた。が、歴史の専門家からのブーイングは高まるばかり。ここまでですら、捨て置けない“史実との乖離”が少なくとも五つもあるのだ。歴史評論家の香原斗志氏が喝破する。

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 実のところ、大河ドラマは「ぬえ」のような番組である。登場するのは、大半が日本史上に実在した人物であるにもかかわらず、どこまでが史実で、どこからが脚色で、どの描写がフィクションなのかわかりにくい。NHKの看板番組であるわりには、とらえどころがないのである。

 ドキュメンタリーではなくドラマなので、演出が必要なことはいうまでもないが、例年、研究者に時代考証を依頼していることからも、NHKが史実を尊重しようと考えているのは間違いない。事実、「このドラマは、史実を基にしたフィクションです」というテロップは、「いだてん~東京オリムピック噺~」を除いて流れていない。

 また、大河ドラマゆかりの地が毎年、観光誘致に躍起になり、実際、観光客が大勢押し寄せることなどから、視聴者の多くも、史実をもとにしたドラマだと認識していると思われる。

 とはいえ、史実もまたくせものである。分からないことや見解が分かれることも多く、間違いないと思われていたことが、研究が進展して覆ったりする。

歴史書や史料にほとんど目を通していない?

 冒頭からすっきりしない話で恐縮だが、落としどころはこんな感じではないのか。史実や最新の研究成果を尊重しつつ、脚本家の解釈も加え、不明の部分には、史実と照らしてリアリティーがある演出を加える。

 視聴者が、大河ドラマに歴史が反映されていると思っている以上、言い換えれば、NHKが視聴者にそう思わせている以上、史実に近づける姿勢は、失ってはいけないと思うのである。

 その点で、今年の「どうする家康」はサプライズの連続である。脚本家の古沢良太氏はもしかすると、徳川家康に関する過去のドラマや映画、小説はチェックしても、歴史書や史料にはほとんど目を通していないのではないだろうか。

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