藤井聡太七冠と永瀬拓矢王座は「相思相愛」 お互いが語った“愛”とは?

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 話題の青春小説『成瀬は天下を取りにいく』は、中学生の天才少女・成瀬と彼女を見守る友人の物語。翻って将棋の世界では、藤井聡太七冠(21)が前人未到の八冠独占という天下取りに挑むが、彼を深く敬愛し、活躍を見守ってきた盟友は今回、立ちはだかる立場だ。

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 棋界の全八大タイトルのうち、残すは王座のみとなった藤井七冠。今月4日に行われた挑戦者決定戦に勝利し、いよいよ永瀬拓矢王座(30)と対決することに。

 決定戦終局後の会見では、

「永瀬王座は自分を引き上げていただいた方」

 と語った藤井七冠。一体、二人の関係は?

「私の知る限り、藤井さんがずっと定期的に指している研究パートナーは永瀬さんだけだと思います」

 そう解説するのは『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』の著者で観戦記者の松本博文氏だ。二人の縁は6年前、藤井がプロ入りして間もない中学生の時に始まったという。

「将棋を扱うネットTVの『炎の七番勝負』という企画で、当時14歳の藤井さんが羽生善治九段ら強豪棋士7名と対決しました。この時、ただひとり藤井さんを下した棋士が永瀬さんでした。これをきっかけに永瀬さんが藤井さんに申し込み、VS(ブイエス)をするようになったそうです」

人柄も絶賛

 VSとは「一対一」の練習対局のこと。

「永瀬さんが自ら藤井さんの拠点の名古屋に赴き、藤井さんの師匠である杉本昌隆八段の研究室を借りて対局を重ねました。東京の永瀬さんの研究室でVSをすることもあり、コロナ禍の時も二人はオンラインで練習対局を続けていました」

 かくて“藤井将棋を最も知る男”と称されるようになった永瀬王座は、

「棋力はもちろん、ずっと変わらぬ謙虚さを持ち続ける藤井さんの人柄のことも絶賛しているんです」

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