経営者向けセミナーも大盛況 伝説のセクシー女優「小室友里」が“レス”に悩む男性に授けるアドバイスとは?

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できて当たり前

 こうしたセミナーや講演を中心に、商工会の勉強会に呼ばれることがある。そこでは講演内容に“性に関するテーマ”を盛り込んでほしいとの依頼が増加傾向にあるという。

「これまでは、社内のコミュニケーションをよくしてモチベーションを上げるための講演依頼が多かったのですが、それだけではうまくいかないことが一般に認知されてきたようです。根本的に何かを考え直さないと家族も会社もうまくいかない、つまり収益が上がらないとなってしまう。では、どこを見直せばいいのか」

 それは、いままでアンタッチャブルだった“性”を見直す時期に来ている、ということ。その先頭を走り、啓蒙するのが小室友里さんなのだ。懇親会などでは、“レス”の話題が出たり、質問されたりもする。

「当事者にとっては非常に大事なことです。レスに関連する話は女性のほうが積極的ですね。女性が望んでいるのは行為自体ではなく、もっと深い部分で結びつきたいということもある。その気持ちを男性はどうしたらわかってくれるのかという質問が多い。日本では、“できて当たり前”みたいなベースがあります。だからこそ、レスは恥ずかしい話になっていて“問題”として扱われる。もし、男性の側から、妻に受け入れてもらえないという相談があった場合はこうお話しします。おそらくあなたは、どこかでパートナーにとって嫌なことをしています。女性としての価値観を損なうような言動をしているはずです。それがわからないと解決できません。奥さんに“何か嫌なことしてなかったか。謝りたいから教えてくれ”と言えればいい関係が復活するでしょう、と」

セクシー女優のセカンドキャリア支援

 男女間で、非常に大切で根本的なことをないがしろにしていないか。早速、確認したいところだ。

「一方の女性には、日常生活の中で営みを含めて“されたくないこと”や“してほしいこと”を伝えるスキルを向上させてほしいですね。いきなりベッドの中で伝えるのではなく、日ごろから、オブラートに包んででも相手に届く言葉を探しておかないといけません。女性の側が受け入れらなくなった場合のレスは、多くはホルモンバランスが崩れています。生理のときにホルモンはとても変動するし、出産時にホルモンバランスが変わり、最も大切なパートナーが敵に映ってしまう瞬間もあるそうです。それを引きずってしまうことがある。たとえば、女としての尊厳を傷つけられた、などです。女性が求めているものをに男性は知っておかないと気づいてあげないといけません」

 男女の行為は特別なものではなく。日常生活の一部。それは、ベッドの上だけで解決を図るものではない。楽しい会話と同じようにコミュニケーションなのだ。

 こうしたことを踏まえ、小室さんは、セクシー女優が引退後もハッピーになれるような受け皿を構築していきたいという。セクシー女優のセカンドキャリア支援だ。

「セクシー女優を卒業してからの、その後の女性としてのキャリアモデルを作っていきたいんです。いまその土壌づくりをしていて、その一環として、このたび女性を支援していく団体として『全国愛妻家サポート協会』を立ち上げました。女性が自活するための仕事のサポート、男女がうまくコミュニケーションを図るための仕組みやフェムテックやメイルテックなど性の健康の情報提供など、女性の社会活躍に必要な土台作りに男性のエンパワーメントを組み込んで、環境の具体的な整備をこれからおこなっていきます」

 小室さんの話が示唆するところは、もし、いま日本の性が歪んでいるとしたら、それは男性の性のあり方が元凶なのかもしれない。男性が、歪んだ性を形作ってしまったのかもしれない。セクシー女優として“性の縮図”ともいえる業界にいたからこそ、小室さんには見える現実があるのだ。

ノンフィクションライター 青柳雄介

デイリー新潮編集部

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