朝日新聞で起こっている“異常事態” なぜ「Colabo支援者」からの抗議で記事取り消し?

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河合市議に聞くと…

「配信された記事が炎上すると、朝日の担当記者が電話してきて“河合さん、Colaboと何かあったんですか?”と聞かれました。元々、僕とColaboがケンカしていることも知らなかったようなんですね」

 そう振り返るのは、当の河合市議本人である。

「確かに、記事でColaboのことやフェミニズムについて扱っているなら、僕とColaboのケンカのことも入れるべきでしょう。しかしそれとは何の関係もない、僕の半生を紹介する記事でColaboから何を言われようと関係ない。だから“無視でええんちゃいますの?”と言ったんですが、記者は“あんまり抗議が多いと無視するわけにはいかない”と……」

 批判が殺到した後、朝日は記事に〈おことわり〉を追加し、Colaboの問題に触れなかったことは〈不適切〉だったと釈明。が、それが火に油を注ぐことになり、さらなる炎上を招く。そして最終的に記事を取り消すに至ったのだ。

「どんな記事でも批判する人は一定数いるはずです。そもそもColaboと関係ない記事でいちいち批判を気にした朝日新聞社はどうかと思います。納得いかへん形で終わったなあ、という感じです」(同)

「驚くべき退廃」

 元朝日新聞記者でノンフィクション作家の辰濃哲郎氏はこう苦言を呈す。

「批判を受けたから記事を削除したというのは驚きでしかない。事実と明らかに違ったとか、誤報・捏造の場合は記事の削除も仕方ないとは思います。しかし、批判を受けた内容と関係のない記事であれば“彼の政治家としての一面を捉えた記事です”と説明すればいいだけの話で、削除までする必要はないはずです」

 朝日は2度過ちを犯した、と辰濃氏は言う。

「十分な取材ができていなかったことと、記事を削除したことです。外からの意見を気にしすぎて日和(ひよ)ってしまう、あっさり記事を削除してしまう、というのは、権力と戦う姿勢や、培ってきた朝日新聞の価値に逆行する行為に他なりません」

 先の長谷川氏もこう話す。

「記事そのものに問題はないのに抗議を受けたからといって掲載をやめてしまっては報道機関として失格。驚くべき退廃です。新聞社として成立しておらず、会社そのものが腐っています」

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