オリオールズ・藤浪晋太郎に変化が…「デリケートな投手」と評した日本的捕手、ラッチマンにも注目

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フレーミングの名手が藤浪を支える

 ボルティモアでの新しい野球環境が、オリオールズ・藤浪晋太郎(29)を変えつつある。

 日本時間7月26日のフィリーズ戦、同点で迎えた7回に2番手で藤浪が登板した。打者3人をピシャリと抑えると、その好投に応えるように4番のライアン・オハーン(30)が右中間へソロホームランを叩き込んだ。藤浪が8回のマウンドにも上がり、ゼロに抑えたことで「移籍後初勝利か?」と色めき立ったが、後続投手が逆転サヨナラ負けを許してしまった。しかし、移籍前とは比べ、マウンド上での雰囲気や仕種が少し変わった。

「アスレチックスで救援にまわってから、グローブをポンと叩いて『YEAH~!』と雄叫びを上げていました。三振や3アウトチェンジの際、グラブを叩くジェスチャーは続けていますが、ボールをリリースするとき、少しですが舌を出すようになりました」(現地メディア関係者)

 侍ジャパンにも選ばれたラーズ・ヌートバー(25=カージナルス)も、スライディングキャッチなどの際に舌を出していた。WBC中、日本のメディアから「危なくないのか?」との質問も受けていたが、本人は「力を入れすぎないための工夫だ」と話していた。素人がマネしたら怪我をしてしまいそうだが、藤浪もバージョンアップのための試行錯誤を続けているのだろう。

「良いキャッチャーにも巡り会えたと思います。オリオールズはどんなチームかと聞かれたら、真っ先に名前が浮かぶのがアドリー・ラッチマン(25)という優秀な若手捕手です。彼が攻守でチームを牽引しています。21年、ナ・リーグワーストタイのシーズン110敗を記録したオリオールズが昨季、勝率を5割台に戻し、今季、東地区の首位を快走中なのはラッチマンのおかげ、とくに投手陣はラッチマンに助けられています」(米国人ライター)

 投手陣が助けられているのは、ラッチマンの「フレーミング」のテクニックだ。フレーミングとは、ストライクか、ボールかの際どいコースに来た投球をさりげなくキャッチャーミットを動かし、球審に「ストライク!」とコールさせる捕球技術のこと。

「配球も一流だと称賛されています。昨年の盗塁阻止率は30.6%。近年、メジャーリーグでは牽制球に回数制限をつけるなどのルール変更があり、その影響で盗塁阻止率は20%台まで落ちています。ラッチマンの肩の強さはもちろんですが、打つ方でも、彼は今季、2番や3番を任されています」(前出・同)

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