1軍レベルではなかった浅野翔吾(18)は「なぜ2週間も帯同したのか」 不可解なドライチ起用に浮かぶ原監督の“出処進退”の心底

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浅野の1軍昇格は時期尚早、次回は数年後?

 巨人のドラフト1位ルーキー、浅野翔吾(18)が7月21日に出場選手登録を抹消された。登録は同7日のことで、翌8日が代打での1軍デビューだった。結局、スタメン出場がないまま、わずか4試合の出場で計3打数無安打、3三振に終わった。

 さるNPB球団元監督の「打つこと、守ること、全てに1軍レベルではなかった。下(2軍)で、まだまだやるべきことがある」との言葉を待つまでもなく、力不足は明らかだった。それは原辰徳監督(65)が誰より分かっていたにもかかわらず、なぜ2週間もの長期にわたり、1軍に帯同させたのか。関係者の声を集めると、原監督の出処進退の心底が浮かび上がってきた。

 浅野の登録抹消時、前出の元監督はこう語った。

「これでしばらく浅野を1軍で見ることはないだろう。(来季が3年契約最終年の)原監督の任期中に上がってくるかどうか。次回の1軍昇格は数年後になるかもしれない。現時点で他の選手に比べ、何か一つに秀でているものがあれば別だったが……。将来性はあってもモノになるまでは時間はかかる」

 そもそも浅野の1軍昇格はオールスター前で出場選手登録枠に比較的に余裕があるからこそ実現したものだった。巨人は優勝を争った交流戦が多くを占めた6月を12勝9敗と上昇気配の中で終えた。首位戦線進出をもくろむ7月、期待のドライチ新人を起爆剤にしたかったのかもしれないが、「時期尚早だった。今の浅野の力ではスタメンはもちろん、控えでも使うところがほとんどない。1軍に昇格させたこと、それも2週間も置いたことの意図が分からない。チームに勢いをつけたければスタメンなどでもっと使うべきだった。使わなければ、新風を吹き込むことにはならない」と元監督の口からは原監督の采配への疑問が尽きなかった。

浅野の昇格でチーム低迷

 プロ初打席は7月8日のDeNA戦、6-0の六回に代打で登場し、本拠地東京ドームの大歓声を受けながらも左腕の田中健二朗の速球に空振り三振を喫した。右翼守備でも飛球を追おうとした際に転倒する。

「打撃は1軍の投手の球威、変化球の切れ味に全く対応できていなかった。全体的に浮き足立ったプレーで、どっしりとした大物感もなかった」(セ・リーグ球団のスコアラー)

 7月16日にはベンチ入りメンバーから外れた。試合前には原監督がつきっきりで打撃指導していたが、連投中の投手でもないのに、野手でベンチ外とは1軍帯同の意味さえ疑われる処置を取られた。

 浅野は昨夏の甲子園大会で3本塁打を放つなど、高松商高(香川)の8強入りに貢献した強打で脚光を浴びた。ドラフト会議では巨人と阪神の1位指名が競合した。

「ただ、高校出の野手がすぐに活躍することは稀。岡本(和真=巨人)や村上(宗隆=ヤクルト)らは別格。浅野は悲観することはない。数年たてば適応できるポテンシャルは持っている」と元監督が指摘するように、逸材には違いない。

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