立浪監督は思わせぶりな発言…3試合連続クオリティ・スタートの投手・根尾昂は一軍昇格するか

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3試合連続クオリティ・スタート!

 7月14日のソフトバンク二軍戦に先発登板した中日・根尾昂(23)が6回を投げ、被安打1、失点2と好投した。敗戦投手にはなったものの、プロ入り最多タイの121球を投げている。試合後、根尾は「投げる体力もついてきたと思う」と、満面の笑顔を浮かべていた。これで、3戦連続クオリティ・スタート(以下=QS/6回以上登板、自責点3以下)だ。

「5日のオリックス二軍戦後、7回3失点との報告を受けた立浪和義監督(53)が上機嫌で、『一軍でいけるとなれば。今ようやく安定感が出だした段階。まだもうちょっと見て。そう焦らなくて』と言っていました。その口ぶりから、一軍昇格は近いと思ったんですが」(名古屋在住記者)

 しかし、本当にそうだろうか。6月23日の阪神二軍戦では7回被安打3失点ゼロ、上述の通り、7月5日オリックス二軍戦は7回被安打6、失点3(自責点2)、冒頭で記したソフトバンク二軍戦も合わせて「3戦連続QS」なのは間違いない。トータルでのファーム成績は0勝3敗、防御率2.31。奪三振は39だが、与四球は28(7月18日時点)。試合数を重ねるにつれ良くなってきた感じだが、こんな指摘もある。

「問題はソフトバンク二軍戦で根尾が投じた球数ですよ。6イニングで121球は多すぎ。『スタミナがついてきた』って褒める声もありましたが、本当にそうでしょうか」(ファーム関係者)

 調べてみると、同日対戦した打者27人に対し、「3ボール2ストライク」のフルカウントになったのは10人。「被安打1」は立派だが、それはソロホームラン。7四球6三振の数値からも分かる通り、ソフトバンクの二軍打線を相手に“独り相撲”状態だったのだ。

「失点した3イニング目、味方野手がエラーをしていました。悪いのはエラーをしたその野手だけど、根尾のコントロール、投球テンポが悪かったために守っていた側の集中力を奪ったとも解釈できます」(前出・同)

 試合後、根尾は「課題が見つかった」と話していた。その詳細については語らなかったが、独り相撲ではなく、真っ直ぐから変化球を巧みに取り入れ、打ち損じを誘うなどの“オトナの投球”ができなければ、一軍昇格は見込めない。また、中日二軍を見渡してみると、根尾よりも早く一軍マウンドで活躍しそうな若手投手も少なくない。「根尾の独り相撲」とは好対照なピッチングを続けていたのが、昨秋のドラフト1位ルーキー・仲地礼亜(22)だ。

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