不正の温床183億円「PCR補助金詐欺」事業者の裏に「黒幕」 検査のでっち上げや水増しで浮上

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名義貸し

 東京都は6月2日、「PCR等検査無料化事業」における補助金を不正申請した11事業者の公表に踏み切った。その総額は183億円に及び、すでに17億円は交付済みという。実は、PCR補助金詐欺を調査した都も把握していないのだが、11事業者のうち4事業者の裏には「黒幕」が存在した。

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 その4事業者は、不正申請額6億3000万円の「彩祥会」(東京・北区)、同じく69億円の「メディカル4メンクリニック」(東京・中野区)、3億9000万円の「ヒューマンプランニング」(和歌山・有田市)、最後が3億5000万円(交付済みの630万円は返納)の「ジョイ」(東京・中央区)。

 結論から先に言えば、4事業者は、いわゆる「名義貸し」に過ぎない。事業者に登録可能なのは医療機関、薬局、衛生検査所でなければならなかったからだ。肝心の黒幕は、飲食店プロデュースに携わる「ハイブリッジ」(東京・港区)なる会社の高橋英樹社長(44)である。

 ハイブリッジ関係者が明かす。

「都内には、一昨年12月25日から今年5月7日まで、1200カ所ほどの無料検査所が設置されました。周知の通り、そこでコロナ感染の有無を確認するためのPCR検査、あるいは抗原検査がタダで受けられた。ハイブリッジが、その事業に参入したのは昨年3月7日からでした」

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