「原口一博」衆院議員が明かす「私が“がん闘病”を告白した理由」 ウィッグ姿への中傷で痛感した“患者の現実”、「当初は“逃げよう”と思っていた……」

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がん患者は“終わった人”と見なされる

 そして今回は、院内感染や国指定の難病とは違って、がん、悪性リンパ腫という多くの人たちにとって身近な病気に罹ったわけです。これまでと大きく違うところは、公表した直後から、治療について各方面たくさんの情報をお寄せいただいた。これは大変ありがたかったです。

 ですが、一方で、がんやその患者に対する誤解や偏見が多いということを改めて知りました。先ほど申し上げたような、あからさまな差別発言だけではありません。端的に言えば、がんに罹った人は“もう終わった人”と見なされてしまうのです。まるで幽霊のように扱われる。もちろん、その背景には、大病を患った人への気遣いも含まれているとは思います。でも、医療は日々進歩していて、がんも、他の病気と同じように、きちんと治療すれば回復する見込みは十分にあるし、当然ながら治療中だって仕事もできるんです。にもかかわらず、組織や会社の中では、まるで腫れ物に触るように扱われてしまうという現実がある。

 情報を発信することができる立場にある私がこの病気に罹ったことは、まさに運命なのではないかと感じています。闘病中も議員活動をしっかり続けることを示せたわけですし、今後もこれまでと同様に活動することで、がん患者や、がん闘病から復帰され方々が、少しでも励まされ、差別や偏見に苛まれることなく、楽しく生活できる社会になってほしいと考えています。

デイリー新潮編集部

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