“さっしー”移籍に「どう接したら…」本村碧唯が語るHKT48の12年 卒業&引退で“日本のアイドルの課題”に挑む

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卒業後は…日本のアイドルの課題

――卒業後の進路について具体的に教えてもらえますか。

 卒業後は芸能界からは引退します。今後はアイドルになりたい子たちのサポートができたら良いなと思っています。

 アイドルになりたくて、ダンスや歌を習い、技術を極めてからアイドルのオーディションを受けてくれる子がたくさんいるんですけど、悔しい思いをしている子もいると思うんです。アイドルってその子の成長を見てもらうものです。だから求められるダンスのやり方、歌い方もほかのジャンルとはちょっと違う。

 でもアイドルになりたくて頑張ってダンスや歌を頑張ってきたのに、頑張り方が違ったことで夢をあきらめなきゃいけないのはもったいないし、見ているこっちも悔しい気持ちになるんです。

 そういうアイドルになりたい子たちが迷わずにアイドルになるための練習ができる場所を作りたいなと考えています。すぐは難しいですけれど、いつかは自分のスタジオを持って、アイドルになりたい子たちのためのレッスンを開けたらと思っています。

――よくわかります。日本のアイドルって、完璧なスキルを求められているわけではない。むしろオーディションでスキルが高いことで落とされるケースもある。

 難しいですよね。私はそういう子をたくさん見て来たので、アイドルになる前のもっと早い段階でそういうことを知って、練習していたらまた違う道がその子たちにあったんじゃないかなと思うんです。私自身ももともとヒップホップダンスをやっていたんですが、ヒップホップは基本猫背で前ノリ、でもアイドルは踊り方が全然違うので、ちょっと気を抜いてその癖が出ちゃうので怒られてました。

 ダンスがうまい方がかっこいい曲もあるので、アイドル的なダンス、かっこいいダンスのどちらも使えるようになった方がいいんですよね。そういう部分も教えられたらと思ってます。

――芸能界から離れるということですが、続けるとは考えなかったんですか?

 なかったです。芸能界に入りたくてHKT48に入ったわけではなかったので。

 私はHKT48としての活動が本当に楽しくて、メンバーが好きだから、HKT48が好きだから卒業せずにずっと12年間やってきました。卒業をこれまで考えたこともあったんですけど、今ここで辞めたら寂しいな、もったいないなという気持ちの方が強くて、辞められなかったんです。なので次のステップを考える時、芸能界とは考えなかったです。

 表に出る仕事はもう大満足です。やりたいことはたくさんやらせてもらったし、思う存分楽しんだので、やり切りました。

後編【「私自身がHKT48でHKT48が私」最後の1期生・本村碧唯、同期への卒業報告はグループLINEで】へつづく

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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