日本共産党の志位委員長が、批判されるといつも使う“決まり文句” 元幹部は「誤魔化す体質は今に始まったことではない」

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共産党はブラック企業

 先に触れた「報告」で、志位氏は《委員長の在任期間が長すぎる》という批判は《「選挙で後退した」「党勢が後退した」というもの》に過ぎず、《私個人が政治的に重大な誤りを犯したとか、品性の上で重大な問題点があるという批判》ではないと開き直った。

 だが筆坂氏は「今回の統一地方選でも議席を減らし、党勢が後退したことこそが、志位氏の最大の問題であり、まさに責任を取る必要があるのです」と批判する。

「統一地方選で共産党は『「大軍拡NO!」の声あげよう』と訴えました。国政選挙ならいざ知らず、地方選の争点としてふさわしいテーマとは言えず、有権者の支持も得られませんでした。結果、現有議席の1割強にあたる135議席を失ったのです。志位さんが責任を取る必要があるのは明らかですが、頑として委員長の座を譲ろうとはしません。その結果、共産党の幹部の間に“無責任体制”が横溢しています」

 現在、共産党は「130%の党」を謳い、公式サイトでは《全党的に36万人の党員、130万人の「しんぶん赤旗」読者をめざす》としている。

《来年1月の党大会までに、平均して、1支部あたり、現勢で、2カ月に1人の党員、1人の日刊紙読者、3人の日曜版読者を増やせば実現できます。これが過大な目標でしょうか》

「過大な目標に決まっています。現に党員も赤旗の読者数も目に見えて減っているのです。共産党の力は衰え、若い人の支持を得ることにも失敗し、党員の高齢化は進んでいます。実現不可能な『党員を増やせ、読者を増やせ』という命令で党員を消耗させているのは紛れもなくパワハラであり、今の共産党はブラック企業そのものです。共産党は外部から“反共攻撃”を受けているのではなく、末端の党員に過酷なノルマを課すという“攻撃”を自らが行っているのです」(同・筆坂氏)

“終わりの終わり”

 志位氏は「報告」で、「なぜ共産党はこんなにもバッシングされるのか」という疑問にも答えている。紹介しよう。

《わが党がかくも攻撃されるのは、端的に言えば、日本共産党が革命政党であるからです。つまり現在の体制を大もとから変革する綱領を持ち、不屈に奮闘する党だからであります。古い体制にしがみつく勢力にとっては、もっとも恐ろしい、手ごわい相手だからこそ、攻撃が起こっているのです》

「公安調査庁も依然として『共産党は暴力革命路線を捨てていない』と指摘していますが、これは共産党が弱体化していることを認めると彼らの仕事がなくなるからです。党員の中心は70代です。火焔瓶を投げるどころか、60年安保で行われたジグザグデモすら無理でしょう。暴力革命など噴飯もので、まさに“老兵は消え去るのみ”です」(同・筆坂氏)

 つい最近まで、無党派層の一部は、共産党を積極的に支持はしないものの、「自民党にお灸を据える」などの理由から投票することは珍しくなかった。

「今年に入って除名騒動も大きく注目されましたが、それに加えて今回の“反共攻撃”の発言です。さぞかし無党派層も呆れているでしょう。いつ行われるのか分かりませんが、次の総選挙で共産党はさらに敗北を重ねるはずです。押しても引いてもどうにもならないという組織の硬直化を考えると、共産党の“終わりの始まり”どころか、“終わりの終わり”という印象を受けます」(同・筆坂氏)

註1:東大合格者数で渋幕を超えられない……県立千葉高校出身の神童は安倍政権を支え、揺るがしていた(文春オンライン:2020年1月18日/教育ジャーナリスト・小林哲夫氏の署名原稿)

註2:99統一選は臨戦態勢 府議選と市議選 大物代議士や閣僚経験者ら続々(読売新聞・大阪朝刊:1999年3月29日)

デイリー新潮編集部

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