名門「鳩山家」御曹司の選挙区で保守分裂の危機…修復不能な県連との確執と、「麻生太郎」元首相のカゲ

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 鳩山家といえば、言わずと知れた日本屈指の政治家一家。“初代”の鳩山和夫は衆院議長を務め、息子の一郎、そして、その孫にあたる鳩山由紀夫氏は総理大臣まで登りつめた。さらに、由紀夫氏の弟である故・邦夫氏も政治家となり、総務相、法相を歴任。そんな名門の鳩山家の末裔として、現状、唯一国会議員のバッジをつけるのが、福岡6区選出の自民党衆院議員で、邦夫氏の次男・鳩山二郎氏(44)である。が、来るべき次期衆院選では、あろうことか、二郎氏の地元が保守分裂選挙になる可能性が高まっているのだ。一体何が起こっているのか。

史上最年少市長

 まずは、鳩山二郎氏の経歴について振り返っておこう。

 地元紙記者が言う。

「東京・文京区生まれの二郎氏は、青山学院に初等部から入学するも中途退学、オーストラリアに留学します。帰国後は杏林大学に入学し、そのまま大学院まで進みますが、こちらも中退。2011年に父である邦夫氏の秘書となりました。13年には、父・邦夫氏の選挙区内でもある、福岡県大川市の市長選に出馬、初当選を果たし、当時史上最年少で市長に就任しました」

 ところが、

「邦夫氏が、衆院議員のバッジをつけたまま、2016年6月に死去してしまった。これを受けて二郎氏は、当時現職の福岡県大川市の市長でありながら、補欠選挙に出馬すると表明しました。一方で地元の県連は、別の候補を立てようと動いていた。というのも、邦夫氏の生前、県連との間で、“6区の地盤は世襲しない”という約束をしていたのです。頭を抱えた自民党は、どちらも公認せず、勝った方を追加で公認するという苦肉の策に打って出たのです」

 果たして勝負の行方は、10万票を叩き出した鳩山氏の圧勝。自民系のもう一人の候補とは、4倍近い大差をつけての勝利となった。

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