NHKの不適切「9億円予算」でわかったBSの迷走 改革の目玉で1波削減 だったら受信料も下げろの声

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 NHKが事業として認められていないBS(衛星放送)番組の「見逃し配信」のため、今年度、約9億円もの予算を勝手に盛り込んでいたことが問題になっている。予算はすでに国会で承認され、その後、問題が発覚。なぜNHKはこんなマネをしたのか。

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 読売新聞オンラインは6月7日、2024年度に動画配信サービス「NHKプラス」でBSの番組を配信する目的の一つに、「衛星解約・地上波への契約変更の抑止」があると内部資料に記されていたことを報じた。つまり、約9億円もの不適切な予算が計上された理由は、衛星契約の解約を防ぐためだったのだ。

 NHKプラスは、地上波の受信契約者が利用できる総合テレビとEテレの見逃し配信サービスだ。BSの番組は配信されていない。もしBSの番組が配信されるようになったときには、当然、衛星放送の受信契約者であることが前提になるはず。それにしたって、そこまで衛星契約の解約を気にする必要はなさそうだ。メディア文化評論家の碓井広義氏に聞いた。

「読売の記事では立教大学名誉教授(メディア法)の服部孝章氏が《衛星契約はNHKにとって「金のなる木」だった》と指摘していましたが、まさにその通りだったと思います。NHKが一番困るのは、衛星放送の受信料が減ることなんです」

 地上波の契約解除のほうが困るのでは?

「現在、NHKの受信料は、地上波が月1275円、衛星が月2220円(いずれも継続振込)で、衛星契約は倍近い金額です。そして受信契約者の半数以上が、衛星放送の受信料を支払っています」

 この衛星契約によりNHKは肥大化した。

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