リブゴルフがPGAツアーとの統合に合意も“消滅の危機?” ノーマンCEOに悲劇の予感

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 6月6日(米国時間)の朝、ゴルフのPGAツアー(米国男子ツアー)とDPワールドツアー(欧州男子ツアー)、そしてリブゴルフを経済的に支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」の3者が、統合に合意したと発表した。驚きの知らせの一方で、リブゴルフの今後やCEOのグレッグ・ノーマンに関して様々な憶測がささやかれそして、2日後の6月8日、今度は交渉役を務めた人物から内幕の一部が明かされ、ノーマンの役割は「終わった」と見られている。その経緯を順を追って振り返る。

誰もが「寝耳に水」だった

 昨年6月にノーマンCEOが率いるリブゴルフが創始されてからというもの、世界のゴルフ界は「PGAツアーVS.リブゴルフ」の対立で大揺れしてきた。

 だが、そうやって敵対してきた両者が何の前触れもなく、シーズン真っ只中の6月というタイミングで統合に合意し、このニュースに誰もが耳を疑った。

 その知らせは、それぞれのツアーに所属する選手にとっても「寝耳の水」だった。

 そもそもリブゴルフ創設のため水面下で暗躍し、創設後もPGAツアーやDPワールドツアーとの確執に対応を続けてきたのはノーマンCEOだった。しかし、そのノーマンにとっても統合合意の報は「寝耳に水」だったそうで、彼がそのことを知らされたのは6日朝の発表直前だったという。

声明にノーマンの名前はなし

 米ゴルフウィーク誌によると、それぞれのごく少数の首脳陣が極秘交渉を行なった期間は「ここ7週間」とされ、おそらくは4月のマスターズ終了後から彼らは交渉のテーブルに着いたのだと推測されていた。

 そのときリブゴルフのCEOであるノーマンは、なぜ交渉の場から外されたのか。彼は昨夏、米フロリダ州の地元紙パームビーチ・ポストのインタビューに応え、こんなことを言っていた。

「将来的にリブゴルフとPGAツアーの統合や合併は十分に起こりうる。私は100%、そうなると信じている」

 PGAツアーやDPワールドツアーと手を結ぶことを、ノーマンは早いうちから望んでいたのだ。それなのに今回の統合へ向けた交渉にノーマンはまったく参加できず、しかも知らされてもいなかった。そして統合に合意したのはノーマンでもリブゴルフでもなくPIFだった。

 PGAツアーのジェイ・モナハン会長が発信した声明にもノーマンは登場しい統合合意の発表後、モナハン会長はPIFのヤセル・ルマイヤン会長とともに米CNBCのモーニングショーに生出演したが、その際もノーマンに関しては、どちらの会長からも一度も言及されなかった。

 それは果たして何を意味していたのだろうか。

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