山川穂高「西武解雇」でも「ソフトバンク入り」の線が消えないワケ FA交渉の“公然の秘密”、現役続行に首の皮一枚

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山川の移籍は“絵に描いた餅”かと思われたが

 強制性交の疑いで書類送検された、プロ野球西武の山川穂高(31)の今後の動向が取り沙汰されている。起訴なら即刻解雇、不起訴になっても今季中の出場停止や罰金などのペナルティー、さらにオフには戦力外通告を受けるのでは、などの声がかまびすしい。しかし一方で複数の球界関係者が、ある可能性を指摘する。それは「西武が更生の道を閉ざした場合にはソフトバンクが獲得に乗り出す」というものだ。

 昨年のオールスター戦での打撃練習中、選手同士の会話で「アグー(山川の愛称)、ソフトバンク行くらしいよ」との音声がNPBの公式動画チャンネルに流れた。山川は順調なら今季中に国内フリーエージェント(FA)資格条件を満たし、今オフにはFA権を取得するはずだった。昨オフの西武との契約更改交渉では球団の4年契約の提示を固辞し、単年契約に。西武を圧倒する資金力を誇るソフトバンクの長距離砲を求めるチーム事情と合致することで、今オフのソフトバンクへの移籍は既成事実化していた。

 山川は西武と契約更新した際、プロ10年目の今季へ向けて「野球人生を全て懸けて臨む」と並々ならぬ決意を示した。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に招集されても、打撃フォームは左足を高く上げたままで外国人投手を意識したWBC仕様にはしなかった。昨オフ日本ハムからFA宣言した近藤健介を獲得した際に7年総額50億円(金額は推定)を提示したソフトバンクから最大限の条件面を引き出すべく、NPBの公式戦での活躍を目指していたことがうかがえる言動が散見されていた。

 今回の書類送検で、それも絵に描いた餅になったように映るのだが……。

FA選手との事前接触は“必要悪”

 さる元NPB球団監督は不起訴という条件付きで、山川のソフトバンク入りは消えていないとみる。

「FA交渉はルールではオフの一定の期間内にFA宣言した後、FA公示され、その翌日から旧所属以外の球団との交渉が解禁になる。ただ(1993年の)制度導入以降、これを厳格に守った球団はどれほどあっただろうか。大抵の場合は公示のずっと前からFA選手サイドに何らかの形で、少なくとも獲得の意思があることを伝えているもの。交渉前に条件面を提示していたこともあっただろう。選手が交渉後に、古巣球団やファンへの配慮から移籍か残留かを熟考したように見せても、実は出来レースだったという例は少なくない。宣言残留は別にし、FAとなり、どの球団も手を上げなかったでは、選手は宣言できないから」

 かつてこの元監督が指揮を執っていた頃、オフにある主力投手AはFAを控えていた。レギュラーシーズン真っ盛りの夏、遠征中の宿舎でメガネに付け髭で変装した他球団の代表Bとエレベーターで鉢合わせたという。

「間違いなく、Aに会いに来ていた。変装はしていたが、B代表だとはっきりと分かった」

 大胆にも敵軍の本陣に乗り込み、事前接触を図っていたというのだ。実際、オフにA投手はB代表の球団に移籍した。

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