「台湾チアガール」はまるでアキバ系アイドル “写真集”発売に「韓流ダンサー」加入で球場も熱狂

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 今年開催されたWBCでは、台湾プロ野球5球団から選抜された21人のチアガール「クラシックガールズ(経典女孩)」が話題を振りまいた。台湾チームが1次ラウンドで敗退したため、惜しくも東京に遠征するチャンスを逃したが、そのサービス精神に満ちた姿は日本の野球ファンの目にも魅力的に映っただろう。

 そして、4月に開幕した台湾プロ野球の各球場では、それぞれのチームに所属するチアガール軍団が、華やかなパフォーマンスで選手たちにエールを送っている。その熱狂ぶりを観客席の中からお届けする。【広橋賢蔵/台湾在住ライター】

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 筆者は5月20日、国際空港にほど近い「楽天桃園スタジアム」で行われた楽天モンキーズと中信兄弟(旧・兄弟エレファンツ)の公式戦を訪れた。よく晴れた週末のナイトゲームだけに、球場は1万人を超える観客で埋まっている。

「Rakuten Girls」は、楽天桃園球場を本拠地する楽天モンキーズ専属ダンスチーム。各球団が20人前後のチアガールチームを擁する台湾でも、専属ダンサーが30人を数えるRakuten Girlsは“最強チーム”でもある。今年、韓国から新加入して人気急上昇中の李多慧(イ・ダへ)や、5月15日に日本で写真集(集英社)が発売されたことで話題になった林襄(リン・シャン)が所属している。

内野席の“お立ち台”にファンが殺到

 Rakuten Girlsが1塁側と3塁側の内野席に設けられた「お立ち台」に上がるのは、楽天が攻撃する回。ベンチ上の内野席を、現地では「ロックエリア」と呼び、そこには一眼レフカメラや携帯モバイルを構えたファンがずらりと並び、動画モードなどで、好みのチアガールを狙いすましている。

 この日は総勢20名だったが、チアガールたちはファンサービスに気合い満々で、カメラ目線でハートマークを作ったり、各自の決めポーズでファンたちに惜しみなく愛嬌を振りまいていた。

 得点のチャンスになると、さらにダンスは激しくなり、振りを覚えた女性ファンたちもチアと一緒に踊り始める。周囲に陣取る男性たちも、日本のアニソンオタク的な合いの手を入れたりしている。まるでアキバ系アイドルのライブ映像のようなムードを醸し出していた。日本のアニメやゲームの支持者も多い台湾だけに、アニメファンから派生して、こうした盛り上がりに繋がっているようだ。

 ちなみに、立派な一眼カメラを構えるオタク男性たちのなかには、年間指定席を購入して、お目当ての人気チアを狙っているコアなファンもいる。もちろん、一番いい席で特定のチアガールを撮れる彼らは、別のファンよりも鮮明な映像をSNSアップでき、中には1動画で30万PVを超えるYouTuberもいるという。

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