「自公決裂」関係修復の可能性は? 創価学会は東京28区での擁立を望んでいたのか?

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東京28区に候補者を立てる場合

 一方で、こんな指摘もある。

「中央の側も一枚岩ではなかったとの見方があります。28区に候補者を立てる場合、可能性が高かったのが高木陽介政調会長、そして河西宏一衆院議員(共に比例東京ブロック選出)だとされていました。河西氏は見た目も中身も良し悪しは別にしてエリート然としていて、43歳と永田町では若く、本人も小選挙区での出馬に前向きでした。一方の高木氏は63歳で、これから縁遠い土地での出馬は現実的ではないと見ていたとされています(同)

 もっとも、選挙区での戦いを厭う者ばかりではない。「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」という強い言葉で自民を痛烈批判した石井啓一幹事長は65歳で、衆院比例北関東ブロックからそれこそ縁遠い埼玉14区に転じることが固まっている。

「年齢や土地と候補者の距離感はあまり関係ないかなと見ています。シンプルに東京28区にこだわった公明・学会側と、頑なに拒否した自民側という構図ですね。他方、公明の地元にとっては練馬ショックのこともあって、擁立断念は悪くない決定のようです(同)

自公決裂は大仰?

 メンツを潰された格好の公明・学会。とはいえ、地元は擁立回避を歓迎とは言わないまでも現実的な選択として受け止めているようだ。結論として、自公決裂という言葉はいささか大仰な表現ということになるのだろうか?

「そうとも言い切れないですね。今後、多少の歩み寄りがあった場合には表向きは“雨降って地固まる”を演出するでしょうが、水面下というか実際に学会員が動いてくれなければ選挙に勝てない自民党の議員は結構いますから」(同)

 自公の間で溝が深まるのは今に始まったことではなく、およそ四半世紀にわたる連立の歴史のなかで何度も危機が囁かれたことがある。ただ、今回ばかりは根が深く、完全修復や芳しい関係に戻ることは難しいのではないかとの見方は強いようだ。

デイリー新潮編集部

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