「チャップマンのパロディー版」 藤浪晋太郎が“デッドボール・アーティスト”として全米から注目を集めている

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全米に名を轟かす「ノーコン」

 ここまでの藤浪の成績は、15試合に登板して防御率12.24。与四球24、与死球4、暴投3、失点40(自責点39)を記録している。米メディアやファンが揶揄するのは当然かもしれないが、こんな比較も出来る。

 昨季まで同僚だった阪神タイガースの青柳晃洋(29)は昨シーズン24試合162イニングを投げ、自責点37。藤浪はシーズン序盤の28回3分の2を投げただけで「青柳の1年分以上の得点」を奪われた計算だ。世界最高峰のMLBと、日本のセ・リーグでは対戦打者のレベルも違うかもしれない。しかし、

「藤浪の知名度は全米に及んでいるといっても過言ではありません。『ノーコン』でここまで有名になったピッチャーはいませんよ。米国のMLB報道は基本的に各メディアが地元のチームを追いかけるスタイルで、時々、全国区の有名・人気選手を取り上げますが、藤浪は全国区で扱われています」(前出・同)

 アスレチックスは、29日のアストロズに敗れ、11連敗を喫した。10勝45敗で、借金35。開幕55試合でまだ10勝しか挙げていないが、これは1900年以降初めての恥辱であり、その責任の一端は藤浪にもある。当然、アスレチックス戦の観客数は伸び悩み、試合中盤で勝敗が見えてしまう。しかし、「リリーフ、藤浪」がアナウンスされると、球場がざわつき出し、あくびをしていた観客がまたグラウンドのほうを見始めるという。

「ストライクがコールされるとヘンな拍手が起きたり、ボールカウントが続くと、『またか?』のブーイングが起きたりするんですが、対戦チーム側の地元放送局が再びエキサイトしてくるんです」(前出・現地メディア)

 プロレスの世界ではヒール役へのブーイングは「拍手」と同じだ。それと同じ解釈で、米オールスターゲームのファン投票で、「怖いもの見たさで藤浪が上位にランキングされるのではないか」と予想する声もあるそうだ。

 とはいっても、アスレチックスは55試合で10勝しかできないチーム状況を立て直さなければならない。モップアップマンを外し、将来性のある若手を登用すべきだろう。

「藤浪がウェーバー公示された、あるいは、されるといった話も漏れ伝わっています。ウェーバー公示は『トレードに出します。欲しい球団は?』の意味ですが、ルールが変わってそのリストは非公開となりました。ゼネラルマネージャークラスの球団幹部だけしか見られませんが、藤浪はどうなっているのか各社が注目しています」(前出・同)

 球場をざわつかせる“全国区の有名投手”になったが、ヒール役を返上しなければメジャーリーグでは生き残れない。藤浪の周辺もざわついている。

デイリー新潮編集部

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