ハレンチ過ぎる北朝鮮外交官の行状 外交パウチを使いアフリカで売ろうとした日本製品とは【元公安警察官の証言】

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10万枚のDVD

 北朝鮮は外交パウチでヨーロッパやロシア、中国の酒、タバコ、食材、日用品などを輸送し、売却した金は外交官の生活費に充てたり平壌に送金したりしているという。

「私が赴任した国の入管では、北朝鮮から送られた外交パウチをX線検査しました。過去に禁制品などを輸送したからです。すると、とんでもない数のDVDが写っていたそうです。聞けば、この外交パウチはコンテナで船便で送られてきたそうですが、10万枚ほどあったといいます」

 現地警察が北朝鮮大使館に連絡した。

「北朝鮮の外交官に、入管に来て外交パウチを開けるように通告しました。ところが北朝鮮大使館からはなしのつぶてだったそうです」

 警察は数カ月かけて北朝鮮大使館に何度も通告したが、全く無視されたという。

「警察は半年後、北朝鮮大使館に『この荷物は無私物とする』と最後通牒を出しました。荷物を開けたところ、ハリウッド映画や日本映画、日本のセクシービデオが大量に出てきたそうです。日本のDVDだけで数万枚ありました。北朝鮮の外交官はDVDを売って儲けようとしたのでしょう」

 勝丸氏は警察の依頼を受けて、日本のDVDを調べたという。

「映画やドラマ、アダルトに分類し、タイトルをローマ字にしてリスト化しました。DVDは、レンタル店で使われていたものや、個人でダビングしたものでした。違法コピーされたものもたくさん含まれていました」

 日本のDVDで最も多かったのがアダルトだった。

「現地警察の人に、なぜ日本のアダルトがこんなに多いのか聞いたところ、バリエーションが豊富だから人気なのだろうと言われました。言われてみれば、日本の場合、マニアックなものがたくさんありますからね。世の中には色んな趣味の人がいますが、それに応えているのが日本のDVDと聞き、正直言って驚きました」

 結局、大量のDVDは全て没収された。

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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