「ダイアナ妃の悲劇」を彷彿も事態は二転三転 ヘンリー王子とメーガン妃は“あわや大惨事のカーチェイス”に遭遇したのか

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 ヘンリー王子の母・ダイアナ妃がパパラッチによる追跡中に命を落としたことを、世界は忘れていない。それゆえ、ヘンリー王子とメーガン妃が5月16日夜、米ニューヨークのマンハッタンで「あわや大惨事のカーチェイス」に遭遇したという報道は、多くの人々を震え上がらせた。当然ながら、批判の目はパパラッチに向けられるべきである。だが、現在はなぜか風向きが変わってしまった。いったいなぜなのか?

「パパラッチが彼らの移動を困難にした」が…?

 騒動が起こる数時間前、マンハッタンのミッドタウンには、ゴールドのドレスで着飾ったメーガン妃の姿があった。名誉ある「ウィメン・オブ・ビジョン賞」を贈られるという、久々の大舞台である。同伴者は実母のドリア・ラグランドさんとヘンリー王子。ジーグフェルド・ボールルームでの式典を終えた3人は、雇用している警護チームの車に乗り込み、滞在先の友人宅があるアッパー・イーストに向かった。

 ミッドタウンとアッパー・イーストの2地区は隣接しており、大した移動距離ではない。だが、ヘンリー王子夫妻の声明によると、3人が乗った車は「あわや大惨事のカーチェイス」に遭遇。「執拗な追跡が2時間以上続き、その結果、路上にいた他のドライバーや歩行者、警察官2人が巻き込まれ、複数回の衝突事故が起きた」というのだ。

 マンハッタンで最も賑やかなミッドタウンと、高級住宅街のアッパー・イースト。そんな地区でのカーチェイスなら、検挙者が出る警察沙汰である。ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏は17日朝、一件について報告を受けたとした上で、「警察官2人が負傷した可能性もあった」とパパラッチを非難。一方でヘンリー王子夫妻の声明にあった「執拗な追跡が2時間以上」については、猛スピードでの追跡劇が2時間あったとは「信じがたい」と否定した。

 警察沙汰になったのかという疑問の答えは、同日午後に判明する。ニューヨーク市警の広報副本部長、ジュリアン・フィリップス氏は声明で「この移動に関する衝突や(違反などによる)裁判所などへの出頭命令、負傷、逮捕は報告されていない」と明言した。一方で、「パパラッチが彼らの移動を困難にした」ことを認め、市警が警護チームに協力した事実も明らかにした。

 パパラッチの追跡は事実だが、市警は「複数回の衝突事故」を把握していない。欧米メディアが注目したこの“微妙なズレ”は、証言者が増えるにつれて大きくなっていく。

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