女優に意欲発言も話題 ルッキズム社会をしたたかに利用する森香澄アナのポテンシャル

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

田中みな実と重なるタレント戦略 「あざとい」女子アナは女優向き?

 彼女を語るとき、引き合いに出されるのは先輩の鷲見玲奈アナではなく田中みな実さんだ。お給料のほとんどを注ぎ込むという美容へのこだわり、小柄であざとかわいい見せ方への執念、そして女優業への意欲。確かに重なるところは多い。

 森さんが「悪役がやりたい」という目標設定も、田中さんの成功例を見ているからではないだろうか。主役を張る演技力はなくとも、同じだけの注目は集めたい。ならば悪役や嫌われ役というのは最適だ。普通のいい人を演じるより、悪い人を演じる方が初心者は粗が目立たない。ドラマ「M 愛すべき人がいて」で田中さんが演じた役は、正にその典型だ。オレンジの眼帯を着けて、突然ドラムをたたき出し、エキセントリックな言動で周囲を振り回す。でもその演技が彼女の名前とドラマの人気を押し上げ、「女子アナが女優気取りで偉そうに」という批判を跳ねのけたのだ。それだけでなく、「あそこまで吹っ切ってやれるなんてさすが」と田中さんを称賛する流れも生まれた。今でも主演女優の名前より、田中さんの名前を覚えている人の方が多いだろう。

 初心者が女優をやる時に必要なのは、演技力ではなく、思い切りの良さ。演技そのものではなく、演技に対する一生懸命な姿勢が評価されれば、次の仕事が来ると森さんは踏んでいるのではないだろうか。事実田中さんは映画の主演や、現在も話題のドラマ「あなたがしてくれなくても」の準主役を射止めている。

 田中さんは「あざとい」を褒め言葉にした立役者だが、森さんも「あざとい」と言われることの多い人だ。二人とも、自分がどう見られるか、どう振る舞えば魅力的に映るかということばかり考えている人だともいえる。自分が相手に思われたいイメージ戦略通りに演技ができる人とも言い換えられるなら、田中さん同様、森さんも案外女優向きなのではないだろうか。

次ページ:世間知らずかリスクヘッジか? 「置かれた場所で咲く」のではなく「咲きたい場所で咲く」を選ぶたくましさ

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。