【入管法改正】立民・石川大我議員が支援 体調不良を訴え仮放免された「スリランカ人男性」が2度も起こしていた「性犯罪」

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仮放免中に再び

 難民認定申請と並行して、この時もX氏は体調不良を訴え続けた。11年7月に仮放免され10月に再収容。そして、12月に再び仮放免された。その仮放免中にまたもや事件を起こすのである。

「13年、千葉県の山中に10代の知人少女を連れ込み、無理やり性行為をしようとして強姦致傷罪で逮捕されました。Xは嫌がる少女の携帯電話を取り上げ、『大声を出してもどうにもならないよ』などと脅迫。『1回だけ、1回だけ。入れたら気持ちよくなるから』などと言いながら少女を2度にわたって押し倒し、ズボンと下着を引き下ろすなどの暴行を加えた。少女は全治2週間のケガを負った」(同)

 X氏は捜査段階では犯行を認めたものの、一審では「自分が交際していた別の日本人女性とのトラブルと勘違いした」などと一転して否認。有罪判決を受けると、控訴審では「女性は自分に好意を抱いており合意だった」とまた主張を変えた。最高裁まで争ったが、15年に懲役6年の刑が確定した。

「その後、前橋刑務所で服役し、20年に出所すると再び入管へ収容されました。そして、また強制送還されそうになると、21年に6月に3度目の難民認定申請を行ったのです。不認定の結果が出ると、不服があるとして審査請求も行いました」(同)

スタジオに拍手で迎えられたX氏

 このように現行法では、却下されても、異議申し立てなどを挟みながら難民認定申請を繰り返すことで延々と強制送還を免れるシステムになっているのである。

 そして、X氏は再び体調不良を訴え、仮放免を求め出したのだった。石川氏がX氏の支援を始めたのはこの後だという。

「入管はウィシュマさんが亡くなった後だったこともあり、慎重に判断して仮放免を認めました。結局、難民認定申請を繰り返されると強制送還はできないし、さらに、食事が喉に通らないなどと訴え続けると、医師も万一を考えて外で治療すべきだと診断を下してしまう。現行法では収容者のゴネ得の状態になっているのです」(同)

 X氏は仮放免されたばかりの22年5月に、元NHKキャスターの堀潤氏などが制作するYouTubeチャンネル「8bitNews」に生出演。「職員に体調不良を訴えても医者を呼んでくれない」と入管の医療体制の不備を訴えていた。不都合な過去は一切語られず、スタジオに拍手で迎え入れられたX氏は、まさに劣悪な入管と戦うヒーローのような扱いを受けていた。

石川氏からの回答

 石川氏に質問状を送り、X氏が過去起こした事件を知った上で支援したのか、支援を呼びかけた責任についてどう考えているのか等聞いたところ、下記のような回答が文書で届いた。

「お尋ねの男性と実際に面会でお会いをし、健康状態の悪化から、収容の継続は適切でないと考えました。当該男性の前科の有無等については、当職はお答えする立場にありません」

 法案は今月末には委員会で可決され、来月初頭までには本会議で成立する見通しだ。法改正後はX氏のようなケースは即強制送還対象となる。

 国際社会の一員として、迫害を受ける難民を一人でも多く救うことは大事なことである。だが、制度を悪用して社会に巣食い続ける外国人犯罪者を排除していくことも大事な課題だ。入管の調べによると、累計で4233人いる送還忌避者のうち前科のある者は4割にのぼる。

デイリー新潮編集部

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