2週連続V「藤田菜七子」に「日本ダービー」騎乗の可能性浮上 復調の背景に“若手騎手のスマホ不正使用事件”

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

 成績不振が続いていた元祖アイドルジョッキー・藤田菜七子(25)が、ここにきて復調の兆しを見せている。5月13日(土)の新潟第6レース、そして5月20日(土)の新潟第12レースで勝利し、2週連続の勝ち鞍となったのだ。今年はすでに5勝をマークしており、このペースで勝利すれば、昨年の8勝を軽々と超える公算も高まっている。さらに、今週末に開かれる「日本ダービー」での騎乗チャンスまで浮上。菜七子フィーバー、再びとなるか。

人気薄の馬を

 競馬記者が振り返る。

「5月13日のレースでは、自身が所属する厩舎の、4番人気に支持されていた馬・サンスレッド号に騎乗しています。スタートから上手に逃し、そのまま最後の直線では独走状態で圧勝。約1ヶ月ぶりの勝利となりました。勝利後に見せた、久々の“菜七子スマイル”に、競馬ファンも思わず笑顔になりました」

 もちろん、単に1勝というだけなら、偶然ということも言えるかもしれない。しかし、その翌週の5月20日にも、再び“菜七子スマイル”がもたらされることになる。

「この日、藤田は5鞍に騎乗していて、その中には、勝ち負けになる馬(※勝利してもおかしくない実力の馬)もいたのですが、残念ながらあと一歩及ばず。今日は勝ちがないかなと思っていました。ところが最終レースで、単勝人気11倍と人気薄のドラゴンゴクウ号に騎乗。道中は後方に待機していたのですが、大外から一気に差し足を伸ばし、ゴール直前で前を行く馬を猛然と追い上げました。写真判定に持ち込まれましたが、結果、ハナ差で藤田の馬が勝ちました」

 このレースでの藤田騎手の動きには、別の競馬関係者も驚きを隠せない。

重たい処分が

「13日のレースの勝ちはもちろん素晴らしいですが、序盤から前につけて、そのまま突き放すというシンプルな競馬でした。言い方は悪いですが、斤量の軽い若手騎手なら誰でもできてしまう戦法です。でも、20日の最終レースは違いました。前に行きたがる馬を上手にいなし、馬群の中で我慢させて、最後の直線で末脚を爆発させた。藤田は最後まで懸命に追っていました(※手綱をしごき、馬を全力で走らせること)。馬群の中は混み合うし、落馬の危険もある。若手はそういう競馬をしたがらない傾向にありますが、藤田はそういうレース運びもきちんとできるようになってきたということです」

 こうした復調の背景には、

「以前、負傷した鎖骨の怪我の具合が、だいぶ良くなってきているということもあるでしょうけど、やはり、あの事件の影響もあったのではないでしょうか」

“あの事件”とは、女性騎手5人を含む6人の若手騎手が、騎手の控室や宿泊施設で、不正にスマートフォンを使用した一件のことだ。6人は5月13日から30日間の騎乗停止という重たい処分を受けている。

「その結果、騎乗可能な若手ジョッキーが一気に減ることになり、期間限定とはいえ、再び唯一の若手女性騎手となった藤田への騎乗依頼が自然と増えたというわけです。藤田としても、ここが踏ん張りどころと覚悟を決め、1レース1レースを大切に騎乗し、結果を出してきているのです」

次ページ:決まれば女性騎手初

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。