日本の防空システムを毀損する上海電力の風力発電事業 見返り目当てで再エネ企業を応援する議員の名前は?

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悪名高い日本学術会議

 対照的に、日本は防衛省が風力発電事業者に事前相談を依頼するだけだ。発電用風車が国の安全保障を脅かす事態など笑い話にもならないが、日本には建設区域に規制を設けたり、新技術の開発で問題を克服したりするような取り組みは一切ない。

 最近になって政府は発電用風車の設置区域の設定や高さ制限など、実効性のある対策の検討を始めた。が、そのスピードはあまりに遅い。しかも、日本には悪名高い日本学術会議という“亡国の壁”がある。

 今後、防衛省が国内の大学や付属の研究機関などに技術協力を呼び掛けても、軍事技術への協力をかたくなに拒否する日本学術会議がそれを拒否するよう働きかける事態が懸念される。技術開発の遅れは、国の防空体制とその能力に深刻な脆弱性をもたらす。今後も安全保障に資する新技術の開発に反対し、官学の協力を阻害するなら、政府は速やかに彼らを民営化する必要があるだろう。

利権に巣くう日本人

 また、再エネ推進に熱心な一部の国会議員が上海電力日本のステルス参入を後押ししている事実もある。ネックは冒頭で触れたFIT制度で、電力会社(小売電気事業者)が再エネ発電業者から電気を買い取る際、一定の期間(20年)に限って固定価格で買い取ることを約束している。

 振り返れば、FIT制度は民主党が政権を担っていた11年に菅直人総理(当時)が主導して導入が決まった。当時は再エネの発電コストが火力発電より高かったため、民主党政府は差額を「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」との名目で上乗せし、電気利用者から強制的に徴収することにしたのである。

 当初のFIT価格は、平地に設置するメガソーラーで40円/キロワット時(kWh)に固定された。再エネ発電会社はこの価格で電力会社に売却し、電力会社は火力発電価格との差額を再エネ賦課金として上乗せする。

 それが22年になると、再エネ発電の原価はおよそ10円/kWhまで下落した。その結果、当初の40円/kWhや、その後に変更された32円/kWhで販売している再エネ業者は10年にわたって濡れ手で粟の利益を手にすることになった。無論、この再エネ賦課金は電気の利用者であるわれわれが負担している。

 昨年4月には、発電量が千キロワット以上の規模を持つ発電所にFIP制度が適用された。これは固定価格での買取制度であるFIT制度に代わるもので、再エネの売電価格に一定の「プレミアム(補助額)」を上乗せするもの。が、風力発電所は現時点では除外されている。そして再エネ賦課金はFIP制度でも引き続き徴収されている。

 いずれにしても、再エネ事業が低リスクで安定的な収益を上げられることに変わりはない。だからこそ、国のお墨付きを背景に暴利をむさぼる再エネ企業は、自らの利権を守るために再エネ政策を推進する国会議員の政治団体に多額の合法的政治献金を行ったり、パーティー券を購入するなどして“キックバック”を忘れない。

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