MLBが「ダブルフックDH制」導入なら「大谷翔平」に甚大な影響 本塁打も打点も激減確実

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新ルール導入の背景にあるもの

「そもそも、メジャーリーグが色々とルールを変更してきた背景に『試合時間の短縮』という目的があります。テレビ中継するにしても、サッカーのように試合終了時間が読めないため、テレビ局側が難色を示すのです。オリンピックで野球・ソフトボール競技が公式種目から消えたのも、不明瞭な試合時間が影響しています」(前出・同)

 また、ダブルフックDH制には経営陣と選手会の労使抗争も関係していた。

 2022年シーズンより、MLBナ・リーグでも正式にDH制(通常)が採用されることが決まった。同年3月に締結された新・労使協定にそのことが入っていたのだが、DH制導入を強く求めるMLB選手会とは対照的に、経営陣は最後まで難色を示したという。

「20年シーズン、コロナ禍による投手の負担軽減策として、『9人制ルール』だったナ・リーグでもDH制を採用することになりました。DH制を採用すれば、ナ・リーグの経営陣はDHで出場する打撃専門の選手をさらに雇うことになります。MLB選手会は働き場所が増えること、ナ・リーグ球団所属の投手は打撃面での負担がなくなるので大歓迎でした」(現地メディア関係者)

 同年、MLBはDH制のルール改定も行った。同一選手が「先発投手」と「指名打者」を兼任できるようにし、先発投手として交代が告げられた後でも、DH選手として試合に出続けることが可能となった。前年のMLBオールスターゲームで採用され、好評だったので22年より“本採用”となったのだが、この恩恵を受けたのは二刀流の大谷だけと言っていい。

「これが俗に“大谷ルール”と呼ばれています。21年球宴でも二刀流の大谷を打者、投手両方で出場させるために作られたもので、22年8月開催の国際大会『第5回WBSC U-15ワールドカップ』、今年3月のWBCでも大谷ルールが採用されています」(前出・同)

 それがここにきて、ダブルフックDH制に変更される可能性が出てきたわけだ。しかし、現場では混乱はないものの、好評を得るまでには至っていないそうだ。

「ダブルフックDH制は22年のナ・リーグのDH制採用が影響しているんです。導入を強く求めた選手会と、反対だった経営陣の折衷案とされています」(前出・米国人ライター)

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