巨人、このままでは“長期低迷”に陥る…球団内部からは「育てながら勝つのは現実的ではない」と若手抜擢を願う声

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「世代交代」という難題

 昨年は5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。今年も開幕から苦しい戦いが続き、なかなか浮上の兆しが見えないのが現状だ。そんなチームで今シーズン以上に頭の痛い問題がチームの「世代交代」である。投手陣は戸郷翔征、大勢以外の若手にまだ安定感がなく、野手も主砲の岡本和真以外のレギュラーは30歳以上のベテランとなっている。今回は、高齢化が課題となっている巨人について、5年後のメンバーを考えながら、今後の補強ポイントを探ってみたい。【西尾典文/野球ライター】

 年齢的なことを考えると、投手では菅野智之、野手では坂本勇人、梶谷隆幸、小林誠司、丸佳浩、中田翔らは主力として計算しておくことは難しいだろう。正捕手の大城も5年後には35歳となっており、シーズンを通じてのレギュラーは厳しい想定しておくことが妥当だ。

 現在、チームに所属している選手で、5年後に34歳以下となるメンバーからレギュラー候補を並べてみた。

【野手】
<捕手>岸田行倫、山瀬慎之助
<一塁>秋広優人、増田陸
<二塁>吉川尚輝、中山礼都
<三塁>岡本和真、菊田拡和
<遊撃>門脇誠、湯浅大
<左翼>萩尾匡也
<中堅>オコエ瑠偉、岡田悠希
<右翼>浅野翔吾、松原聖弥

【投手】
<先発>戸郷翔征、赤星優志、横川凱、山崎伊織、高橋優貴、松井颯
<中継ぎ>直江大輔、田中千晴、大江竜聖、代木大和、平内龍太
<抑え>大勢

 岡本以外の野手で、現在レギュラークラスと言える選手は吉川だけ。次に実績があるのが、今季から現役ドラフトで加入したオコエとなっている。この顔ぶれを見て、5年後も安心だと感じる巨人ファンはどれだけいるだろうか……。

岡本の“後継者探し”

 また、頼みの綱とも言える岡本も、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で活躍したことによって、今後メジャーへの移籍希望が出てくることも想定される。

 巨人は、基本的にポスティングシステムでのメジャー移籍を容認していないが(※過去に山口俊はポスティングシステムで移籍)、岡本は、このまま順調にいけば、2027年オフには海外フリー・エージェント(FA)権を取得する見込みで、権利を行使して巨人を退団する可能性は否めない。

 これまでの巨人は他球団で実績のある選手をFAで獲得して補強してきたが、近年は力のある選手ほどメジャーを目指す傾向は強くなっており、それも難しくなっている。坂本の“後釜問題”に続いて、岡本の“後継者探し”というのも大きなテーマとなりそうだ。

 一方の投手は、野手に比べると、既に一軍で実績のある若手が多い印象を受ける。先発は戸郷、抑えは大勢が柱となっており、横川や直江、代木らも今季、成績を大きく伸ばすことが期待される。

 また、前出の一覧表に入れた選手以外にも、二軍で主戦となっている石田隼都、怪我で調整中の堀田賢慎、井上温大ら、まだまだ底を見せていない選手は揃っている。現在は12球団で最低のチーム防御率となっているものの、将来を考えれば、投手陣の方が明るい材料は多いだろう。

 このように、全体的に厳しい印象は否めないものの、近年のドラフトで獲得した選手に“開花の兆し”が見られる。

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