「歯周病」との関連が気になる5つの病気 サツマイモの“蜜”に予防効果ありとの新たな研究も

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「サツマイモの蜜」で歯周病がなくなる?

 専門医のアドバイスや治療以外に、歯周病の予防策はないのか。三浦准教授は、歯周病菌に関し現在、国内外から関心を集めそうな新たな研究に取り組んでいる。その一端を紹介しよう。

 その研究は4年ほど前、偶然に出会った無添加のサツマイモの蜜「あめんどろ芋蜜」に、強い関心を抱いたのが始まりだった。南薩摩半島を発祥にして300年余の歴史を有する「あめんどろ芋蜜」は、郷土伝統の「健康食」。長寿、疫病退散のほか、虫歯になりにくいという言い伝えも残されていた。

 この「あめんどろ芋蜜」を三浦准教授は、歯科の二大感染症の予防に利用できないかと思考した。文科省所管である日本学術振興会の科学研究助成事業部門に、サツマイモを歯周病予防に応用するというテーマで研究計画書を提出。ほどなく研究経費が助成され、研究室の歯車が動き始めた。

 しかも、歯学の研究者とはいえ三浦准教授は、かつて東大・農学部で学んだ異色の経歴を持つ。サツマイモなど食品を材料にした研究に、豊富な知識が後押しをした。ざっと3年に及ぶこれまでの研究実験で、サツマイモの蜜がおどろくほどの抗菌性、静菌性、さらには歯垢形成をも阻害するといった目を見張る結果が出た。

 例えば「あめんどろ芋蜜」無添加の培養液と、他3種類(安納、薩摩、紫)の「あめんどろ芋蜜」をそれぞれ10%濃度混合した培養液に、歯周病菌(Pg菌)を接種・培養してその生菌数を比較してみた。結果、無添加の培地が通常のPg菌増殖割合を示したのに対し、「あめんどろ芋蜜」を添加した培地はどれも増殖が認められなかったのである。

「現在は、実用化を目指し、さらなる研究に取り組むべく準備中です。無添加のあめんどろ芋蜜は、何よりも天然の植物由来などで化学薬品や人工甘味料と比べて無害かつ副作用の心配はない。広範囲な分野に応用できます」(三浦准教授)

 しかも、イヌなどペットの歯周病にも有用だという。口腔ケア製品として活用できれば、歯周病がなくなる日が来るかもしれない。

取材・文/段勲(ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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