「歯周病」との関連が気になる5つの病気 サツマイモの“蜜”に予防効果ありとの新たな研究も

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誤嚥性肺炎にも影響する歯周病菌

「ギネスブック」に、世界で最も一般に蔓延している感染症と掲載されている歯周病は、近年、実にさまざまな病気との関連も明らかにされてきた。それら病名を挙げてみよう。

1. 肺炎(誤嚥性肺炎)
2. 心臓病
3. 糖尿病
4. 骨粗しょう症
5. バージャー病(手足末端の血管が詰まり、炎症や皮膚に痛み、潰瘍を起こす)

 歯周病はなぜ、怖い心臓病との関係も疑われているのか。動脈硬化症や大動脈瘤罹患者の細胞を検査すると、数多くの歯周病関連菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス=Pg菌)が検出されているからだ。このほかには、早産とも関連があるとみられている。

 また、誤嚥性肺炎(食事時、飲食物や唾液が気管支や肺に入って生じる肺炎)にも注意が必要だ。日本人の三大死亡原因「がん」、「心疾患」、「脳疾患」に続く「肺炎」の要因として、高齢者の「誤嚥性肺炎」がある。

 その主要因として「歯周病原性細菌」が指摘されてきた。詳細はまだ不明だが、罹患者の肺から「嫌気性グラム陰性菌」(歯周病関連菌の1つ)が高い頻度で検出されているからである。

 歯周ポケットで増殖している歯周病菌は、誤嚥により気管支から肺にたどり着く場合がある。高齢の要介護者は歯のブラッシングがよくできないし、うがいすることもままならない。そのために、口の中で増えた歯周病菌が肺に入り、誤嚥性肺炎の原因を作ってしまう。

 病気以外のトラブルとしては、歯の治療で、補綴法と言われる「歯科インプラント」に関するものもある。抜歯した部位の骨にインプラント体を埋め込み、その上に土台(アバットメント)を連結し、上部構造と言われる人工歯を装着するのが代表的な施術だ。しかし、いくら人工歯であろうとも、歯周病菌はトラブルを起こす。

「歯周病菌は、歯周ポケットに限らず、チタン合金などから作られる歯科インプラントにも付着します。定期的に口腔内を機械的清掃することが必要です。メンテナンスを怠ると、最悪、インプラントが脱落してしまうケースも出てきますから」(三浦准教授)

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