前田健太“いばらの道”でも譲れない「MLB残留」 広島と巨人のオファーは“後回し”のマネー事情とは

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節目でなぜか“不運”が

 米大リーグ、ツインズの前田健太投手(35)が4月27日のヤンキース戦で右上腕部に異常を訴え、3回10失点で降板した。この試合まで4戦4敗、防御率9.00と不本意な成績で、翌日には負傷者リストへ。2021年9月に受けた「トミー・ジョン手術」から今季復帰したばかりだが、復活には遠く、四苦八苦の投球が続いていた中でアクシデントに見舞われた。今オフのフリーエージェント(FA)を前に、自身の“商品価値”を高めるには今年は極めて重要なシーズン。来季のMLB残留が予断を許さない中で、前田は残留にこだわっているという。どうしても譲れない、その事情とは――。

 今回の故障は箇所が箇所だけに、球団関係者をひやりとさせた。だが、トミー・ジョン手術を受けた投手には珍しくはない。

「大谷(翔平=エンゼルス)も手術から復帰1年目だった20年に、前腕部の『右屈曲回内筋群の損傷』で、たった2試合の登板で投手としてのシーズンを終えた。ダルビッシュ(有=パドレス)もトミー・ジョン手術後は苦労したが、(移植した)腱が肘になじむまでには時間がかかる。前田もまだ球威、制球共に手術前の好調時には戻っていない」(元選手のMLB解説者)

 一方で「MRI(磁気共鳴診断装置)検査では構造的な損傷は見られず、ツインズには最良のシナリオになった」と米メディアが報じたように、大事には至らなかった。

「前田の今季最大のテーマは、来季もメジャーのローテーション投手として活躍できるところを見せること。メジャー各球団は今、収益増で前田のような高齢投手が大型契約を望める状況になっている。とはいえ、それは(ジャスティン・)バーランダー(メッツ)ら一握りの一流投手に限られる。昨オフのダルビッシュが結んだ36歳での長期契約を目指すなら、今季の残りシーズンでの活躍はマストだが、前田には渡米した時から節目でなぜか不運なことが起きてきたので……」

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