著名人を尻目に“無名の港区議”が自民「東京27区」候補に大抜擢、背後にチラつく「森喜朗元総理」の影

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解散の風が吹く中で

 4月7日、自民党は、いわゆる“1票の格差”是正のため、次回の衆院選から新たに設置される東京27区(中野区全域と、杉並区の一部)の候補者を発表した。この選挙区に含まれる地域はもともと、立憲民主党の“絶対的エース”長妻昭氏(62)の牙城。次の選挙でも長妻氏が立候補してくる予定となっており、当然ながら自民党からすれば、“鬼門”の一つだ。一体どんな候補者が選ばれるのか、注目が集まっていたのだが……。多くの有名人の名前が取り沙汰されたものの、最終的に選ばれたのは、現職の港区議会議員・黒崎祐一氏(46)。大変失礼ながら、“誰もが知っている有名人”とは言えない存在だ。なぜ彼に決まったのか。そして黒崎氏とは何者なのか――。この意外すぎる選定の謎に迫った。

 政治部デスクが解説する。

「ここ最近、永田町界隈では、“岸田総理が広島サミットの後に解散に打って出るのではないか”という憶測がそこかしこで囁かれています。そうした情勢を背景に、自民党各支部では、候補者がまだ決まっていない選挙区について、選考が急ピッチで進められていました。特に、選挙区が5つも増え、区割りの変更も激しい東京は大変で、とりわけ東京27区の自民党候補者については、抜群の知名度を誇る長妻さんを相手にするわけですからね。都連も人選に苦慮しているのか、ずっと候補者が決まっていなかった」

我こそは

 そんな中、

「3月末になって、党から“候補者を公募する”という発表がなされたのです。これには、選挙区やバッジを是が非でも取り戻したい落選中の元議員や、政界進出を狙う有名人らが色めきたち、こぞって応募したと言われています。もちろん一般的に公表されている訳ではありませんが、スポーツライターの乙武洋匡氏や、二階派の重鎮・河村建夫元衆院議員の息子である河村建一氏、元参院議員の大沼瑞穂氏などが、我こそはと名乗りを挙げたそうです」

 ところが、蓋を開けてみると、冒頭でもご紹介した通り、現職の港区議会議員・黒崎祐一氏に決まったという次第。

 自民党関係者が言う。

「黒崎氏は、港区赤坂出身の46歳で、明治大学を卒業後、日商岩井に入社。2015年に、港区議選に出馬して初当選を果たし、政治家へと転身します。2019年の選挙でも再選し、2期目をまもなく終え、今年の統一地方選で3期目を目指すのでは、と思われていたのですが……」

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