武田アナで注目の「DayDay.」に早くも訪れた試練

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 日本テレビが3日からスタートさせた新情報番組「DayDay.」(1部月~金曜午前9時~同10時25分、2部月~木曜同10時25分~同11時10分)が視聴率争いで苦戦している。NHKで報道畑のエースだった武田真一氏(55)と人気お笑い芸人・山里亮太(45)をMCに起用し、注目を集める中で始まったにもかかわらず、なぜなのか。

視聴率は3情報番組の中で最下位

 まず4月第1週(3~7日)の「DayDay.」1部(以下同)とライバル番組の視聴率をご覧戴きたい。5日間の平均値である。

〇「DayDay.」 
個人2.3%、世帯4.3%

〇「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日、月~金曜午前8時~同9時55分)
個人5.0%、世帯9.0%

〇「めざまし8」(フジテレビ、月~金曜午前8時~9時50分)
個人2.4%、4.4%

 3番組の中で「DayDay.」は最下位。3日の初回は武田真一アナの民放初登場とあってか、個人2.6%、世帯5.0%で、「モーニングショー」に次ぐ2位だったが、翌4日には早々と最下位に転落してしまった。

 4月第2週(10日~14日)に入ってからも「DayDay.」の視聴率は浮上せず、それどころか落ちた。10日は個人1.8%で世帯3.3%、11日は個人1.4%で世帯2.9%、12日は個人1.7%で世帯3.3%。

 一方「モーニングショー」は10日が個人4.8%で世帯8.8%、11日が個人4.8%で世帯8.8%、12日が個人5.1%で世帯9.0%。「めざまし8」は10日が個人2.2%で世帯4.1%、11日が個人2.3%で世帯4.3%、12日が個人2.2%で世帯4.2%だ。

「DayDay.」の4月第1週の視聴率は17年続いた前身番組「スッキリ」1部(月~金曜午前8時~同9時半)の3月第1週(2月27日~3月3日)より低い。「スッキリ」の同期間の平均視聴率は個人2.6%、世帯4.8%だった。

 NHKの報道畑のエースだった武田アナと人気お笑い芸人・山里がMCを務めながら、どうしてなのか? まず、競合2番組より放送開始時刻が1時間遅いことが決定的に影響しているのは間違いない。MCの人選次第でどうにかなる問題ではない。

 朝の情報番組が午前8時に始まるという編成は1990年代に始まった。視聴者側は慣れきっている。その生活習慣を変えるのは至難だろう。

 テレビを観る人が急減する午前9時から始まるというのも不利だ。平日午前中の総世帯視聴率(HUT、テレビを観ている人の総数)は午前5時台が15%前後、同6時台が30%前半で、同7時台にはピークの45%前後に達する。

 その後、同8時台には40%前後に下がり、さらに同9時台には25%前後まで大きく落ち込む。全体のパイが小さい同9時台から始めると、損なのだ。

 また、「DayDay.」は扱うニュースの量が「モーニングショー」「めざまし8」と比べ、かなり少ない。代わりに生活情報を分厚くしている。これも視聴率苦戦の背景にあるのは間違いない。

 昭和期の午前帯の情報番組は「奥さまニュース」などとも称された。専業主婦にニュースを伝え、解説を加えていたからだ。

 ところが専業主婦は激減している。もちろん日テレは調べ抜いているはずだが、1980年に1100万世帯以上あった専業主婦世帯が、2022年には539万世帯にまで減った(総務省統計局)。

 奥さまニュースは成立しにくい時代になった。だから日テレは「DayDay.」を全ての視聴者に受け入れられやすい番組にしようと考え、生活情報を分厚くしたのだろう。

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