元F1レーサー「片山右京」の自転車団体「母屋乗っ取り」騒動 実業団チームGMが実名証言

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赤字だから

 片山右京と言えば、紆余曲折の激しい人物として知られている。F1ドライバーからル・マン24時間レースに鞍替えし、登山家へと転身。ところが2009年12月、冬季閉山中の富士山登山で仲間二人が遭難死したことで、非難の集中砲火を浴びた。すると今度は自転車ロードレースに新天地を見出し、「チームUKYO」を設立。「Jプロツアー」というレースの統括団体「JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)」で理事長の重責も担ったが、目下、そのJBCFから片山氏への不満が噴出しているのだ。

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 実業団チーム「リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム」のGM(ゼネラルマネージャー)で、JBCFの加地邦彦理事が憤然として語る。

「片山さんはJBCFの理事長を足掛かりに、上部団体である“JCF(日本自転車競技連盟)”の理事に就き、さらに、東京五輪・パラリンピックでは自転車競技の運営責任者の役職も得ました。しかし、JBCFに対しては、背信と言わざるを得ない行為に及んでいました」

 18年2月の理事長就任後間もなく、片山氏は、実業団チームが納める年会費100万円を200万円に増額した。赤字だから、との説明だった。

「しかし、開示された決算書では129万円の黒字。そのため、当時加盟していた18チーム中9チームの連名で片山さん宛てに値上げ再検討を要望する、“意見書”を提出した。すると、その回答書で、値上げの理由をレース賞金の増額や設備設営の充実を図るためなどと一変させました」

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