韓国大統領の訪日について韓国民はどう受け止めているのか?

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それでも韓国に住みますか

 今年3月、韓国の尹錫悦大統領の来日が半ば電撃的に実現した。銀座での岸田文雄首相との会食は異例となる2次会も設定され、冷え切っていた日韓関係の雪解けを演出する意味合いが込められていたのは間違いない。大統領の訪日を韓国民はどう受け止めたのか? 3月に出版された『それでも韓国に住みますか』(ワック)の著者で在日3世・ソウル在住13年の豊璋氏が、韓国人の中の「反日メンタリティ」について解説する。

 最初に、3月16日の夕食の風景を簡単に振り返っておこう。

 午後7時40分から東京・銀座の「銀座吉澤」で夫婦同伴の夕食会が開かれ、松坂牛のすき焼きコースに舌鼓を打った。シメは稲庭うどん。2次会では婦人らは抜きで同じ銀座の老舗洋食店「煉瓦亭」へ。

 ヱビスビールで乾杯した後、オムライス、ポークカツレツ、ハンバーグステーキを食べながら韓国の焼酎・眞露(JINRO)や岸田首相の地元・広島の日本酒・賀茂鶴も供された。すき焼きのコースとうどんの後に食べるものではないように映るが、お酒好き、食事好きの両首脳にはたまらないひと時だったのだろう。

7割が日本に好意を抱いていない

 岸田内閣の支持率は、この会談に相前後する形で上昇に転じた。韓国大統領との会談実現はともかくその後にウクライナを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領との会談にこぎつけるなど、外交的な成果が続いたことが評価されたようだ。

「外交は野党が手を出せない領域だけにポイントを稼ぎやすい。岸田首相は各社の内閣支持率が軒並み上昇したことをことのほか喜んでいるようです」

 と、政治部デスク。一方、韓国大統領の場合はどうだったか?

「世論調査会社の調査の推移を見ると、下落傾向だったものが若干持ち直した印象です。興味深いのは、支持する・しないのポイントについていずれも、外交と日韓関係があげられている点です。つまり、日韓関係の改善を評価して支持する人が多くいると同時にこれを評価せず不支持に回る人も少なくないというわけです」

 と、外信担当のデスク。

 さらに、同時期に行われたこんな調査結果もある。

「韓国人のおよそ7割が日本に好意を抱いていないというものです。日本人の歴史認識への不信感もさることながら、東電福島第1原発の処理水の海洋放出についての反発も強いということでした」(同)

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