「ドバイワールドカップ」日本馬3勝の快挙! 「日本馬」が海外で勝てるようになったワケ

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 侍ジャパンによるWBC優勝の興奮冷めやらぬ中、またしても日本勢が世界制覇を成し遂げた。3月25日(土)、中東・ドバイで開かれた競馬界の祭典「ドバイワールドカップデー」において、参戦した日本馬のうち、3頭が優勝を飾ったのだ。海外での日本馬勝利といえば、2月に行われた「サウジアラビアカップ」でパンサラッサが逃げ切り、世界最高額といわれる賞金13億円を獲得して話題になったばかり。止まらない日本馬の快進撃は、なぜ生まれたのか――。

持ったまま

 スポーツ紙記者が振り返る。

「『ドバイワールドカップデー』は、中東・ドバイにあるメイダン競馬場で、一日のうちに重賞が全9レース行われるという、世界屈指の競馬の祭典です。今回日本勢は、そのうちの6つのレースに参戦。日本勢にまず吉報をもたらしたのは、第4レースの『UAEダービー』(G2、ダート1900メートル)に出走したデルマソトガケでした。ルメール騎手を背にスタート直後から好位につけ、そのまま後続を突き放し、楽な手ごたえのままゴール板前を駆け抜けましたね」

 これで勢いに乗った日本勢。この日のメインレースのうちの一つ、「ドバイシーマクラッシック(G1、芝2410メートル)」で、世界中の競馬ファンを驚かせた。

「昨年の天皇賞秋、そして有馬記念の覇者で、JRA賞年度代表馬にも選ばれたイクイノックスが出走しました。スタートからハナを切り、そのまま最後の直線へ。一度も鞭を入れない、いわゆる“持ったまま”の状態ながら後続をぐんぐんと引き離して、2着馬に3馬身半の圧勝。しかもレコードタイムまで叩き出しました」

 快進撃はさらに続く。

「最終レースにして、最大の盛り上がりを見せる、その名もずばり、『ドバイワールドカップ』(ダート2000メートル)でも、日本馬が勝利したのです。しかも、勝ったのは、かねて優勝候補と目されてきたサウジアラビアカップ馬・パンサラッサではなく、伏兵・ウシュバテソーロでした」

全体のレベルが上がっている

 ウシュバテソーロは道中、最後方に位置しながら、最後の直線で大外から一気に追い込み、2着に2.7馬身をつけて圧勝。

「馬の頑張りもさることながら、日本のトップジョッキー・川田将雅騎手の騎乗が光ったレースでした。ちなみにこのレースを日本馬が制したのは、2011年のヴィクトワールピサ以来、12年ぶり。ウシュバテソーロは、次は凱旋門賞(フランス・ロンシャン競馬場芝2400メートル)を目指すそう。大谷翔平じゃないですが、芝とダートの“二刀流”だと、話題になっています」

 かくして、“競馬の祭典”は、日本勢にとって最高の形で幕を下ろしたのだった。それにしても、日本馬のこの活躍ぶりの背景には、果たして何があったのか――。

 競馬関係者が言う。

「まずはもちろん、日本競馬全体のレベルが以前に比べ、かなり上がっていることが大きな要因であることは間違いありません。これまでも日本馬が海外で勝つことはあったものの、いずれも国内トップクラスの馬だけ。それがここ最近は、こういった言い方は失礼かもしれませんが、国内の他の馬と比べて、別格に強い、というわけではないレベルの馬でも、海外のG1でいきなり勝つ、というようなことが増えてきた。これはやはり、全体のレベルが上がっているからと言えるのではないでしょうか」

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